「20世紀のクルマ」がパレード~THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋~

国産「20世紀のクルマ達」がパレードラン~THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋~
国産「20世紀のクルマ達」がパレードラン~THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋~全 34 枚

東京都内を旧車がラリー形式で駆け抜ける「THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋」。エントリーしたのは世界各国の旧車だ。中でも国産車に注目の車種がエントリーしていたので取材してきた(11月13日)。

国産「20世紀のクルマ達」がパレードラン~THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋~国産「20世紀のクルマ達」がパレードラン~THE銀座RUN エシカルミーティング2022秋~

東京港区にある東京プリンスホテルの駐車場をスタート地点に定め、銀座、東京駅周辺、浅草、築地などを巡るTHE銀座RUN。コマ地図とスマホアプリを使ったラリーで、旧車を走らせて楽しむ喜び・街中を歩く人々に愛車を見てもらえる醍醐味を味わえるミーティングとして人気も高く、すでに16回目を向かえている。主催するのはパリ・ダカールラリーの参戦経験もあるラリードライバーの根本純さん。ハードルの低い堅苦しくない旧車を使ったラリーの主催も積極的に行っている。

参加車両は「20世紀のクルマ達」と規定されているが、国籍やモデルは多種多様。イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ、国産など、さらに製造年は'40年代から'90年代までと幅広い。しかもいわゆるクラシックカーと呼ばれるモデルのみならず'80年代のフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーや'90年代のスーパーセブンも参加するなど、堅苦しいシバリも壁もないイベントなのが多くのユーザーから愛されている理由のひとつなのだろう。

中でも今回注目したのは国産の旧車達。読者のお父さん世代さらにはおじいさん世代、もちろん当時現役だった読者にも懐かしさや、ノスタルジーをリアルに感じられる車種では無いだろうか?

当日は41台のエントリーを集めたが、その中で国産車は8台がエントリー。'60年代から'90年代までとバラエティーにとんでいる。それぞれのオーナーが思い思いに愛車を楽しんでいる姿がリアルに感じられる取材となった。数名のエントラントに愛車との関わりについて話をうかがったので順に紹介していくこととしよう。

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1966年型のプリンス・スカイライン GT-Bに乗るのは内田さん。「THE銀座RUNの良いところは旧車を展示するだけじゃ無く、実際に街中を走るところですね。クルマが走っているところを見てもらえるのが醍醐味です。都内を走ると街行く人々に愛車を注目してもらえるのもこのイベントならではだと思います」

内田さんのプリンス・スカイラインへの憧れは小学生の頃に遡る、当時の雑誌で見つけたスカイラインのカッコ良さに憧れ、いつかはスカイラインに乗ろうと決めていたという。

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「車両を手に入れたのは23年ぐらい前です。その時はかなりやれた状態で格安で入手しました。普通に走行できたのでしばらくはそのまま乗っていました。本格的にレストアをはじめたのは4年前。その間もずっと日常の足として使っています、我が家ではこのクルマがファーストカーなので買い物も普段使いもすべてこのクルマです。ETCもしっかり付いてますしクルマは乗ってなんぼだと思っています。プリンスというメーカーも走りをイメージさせるところがありますから、これからもずっと日常の足として使う予定です」

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1964年型のホンダ・S600で参加したのは冨山さん親子。このクルマは亡き父親から受け継いだ形見なのだという。

「父親は若い頃からクルマ好きで、ラリーやダートラなどにも参加していました。晩年になって若い頃から欲しかったS600を手に入れたんです。“バイク感覚で乗る”という他のクルマには無いフィーリングが好きだったようです。生前父は“S600に比べるとS800は少し乗用車っぽい”と言っていたほどです。14年前に父が亡くなってS600は私が受け継ぐことになったのですが、独特の乗り方や修理などでは苦労しました。メンテナンスしてもらってる専門店ではパーツが無いので一から作ることも少なくありません。そこそこの費用が掛かってしまいますが今では大切なパートナーになっています。オイル漏れや日常メンテではいろいろなこともありますが、それも含めて楽しんでいます」

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当日ミーティングに一緒に参加した中学生の息子さんは、すでにクルマ好きとして純粋培養されているようだった。祖父の乗ったS600をいずれは父から受け継ぎ愛車にする予定なのだとか。冨山家の親子三代にわたるS600ストーリーがこれからも続いていく。

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トムスの社員である吉川さんがこよなく愛しているのが1975年型のトヨタ・セリカだ。当時、創生期のトムスがパーツ開発を手がけたクルマとして社内では伝説的なクルマになっている。その頃トムス現会長の舘さんが自らがドライブしてラリーにも出場していた車両もであるだけに思い入れは人一倍強いのだ。

「セリカを手に入れてからは、当時のトムスのパーツを組み込んで乗りたいと思って少しずつパーツを集めているんです。最初に見つけたのは井桁ホイールと呼ばれる当時のトムスの人気ホイールです。会社の仲間があるタイヤ屋さんでデッドストックになっていたものを見つけてきてくれたんです。先日は当時もののステアリングも見つけたので間もなく装着予定です。マフラーやエキマニなども含めて少しずつトムス仕様に仕上げていこうと考えています」

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吉川さんはこのセリカを普段の足としても乗っているという。ボディサイズもコンパクトで街中で乗るのにストレスを感じたことはないという。もっとも気に入ってるのは吸排気音。ソレックス(キャブレター)からの吸気音と独特の排気音は惚れ惚れするという。

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齋藤さんの愛車はプリンス・グロリア6ワゴン(1966年型)。プリンス好きの齋藤さんは、複数のプリンス車を所有しているが、中でもワゴンボディのこのクルマをこよなく愛している。

「中学生の時に“世界の自動車”という文庫本サイズの本があったんです。そこに掲載されていたのがワゴンボディのこのクルマだったんです。スポーツカーでも何でも無いこのフォルムがすごく気に入ったのを今でも憶えています。このクルマは20年以上前に手に入れたんですが、今もしっかり走るところが良いですね。日産のL20やトヨタのM型エンジンも経験しましたが、特にプリンスのG7型エンジンは自分のフィーリングにも合うんです。“もっとアクセル踏め”と言ってるようで乗っていて楽しいです。ワゴンボディでもこんなに走るんだというところもこのクルマの魅力ですね」

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当時のスポーツモデルであったスカイラインGT-Bにも搭載されたG7エンジンを採用するワゴンモデルという独特の位置づけもこのクルマの個性を際立たせている。

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ダットサン・フェアレディ2000(1968年型)で参加したのは牧野さん。これまでもSP311などダットサン・フェアレディだけで4台を乗り継いできたというフェアレディ好き。すでにその歴は40年にも及ぶ大ベテランだ。

「乗り始めた当時、フェアレディはすでに旧車でしたが、セレクトの理由はオープンスポーツだったこと。当時はまだロードスターなども無くて、国産のオープンスポーツは他に選択肢はほぼ無かったんです。そこからはダットサン・フェアレディの魅力にはまって乗る継いできました。今の車両に落ち着いたのは27年前、まだまだしっかり走らせて楽しんでいきます」

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当日集まった国産旧車はどれもが動態保存。普段使いにも乗り回しているというオーナーも少なくなかった。旧車と言えども飾っておくのでは無く日常ユースも含めて走りを楽しめることこそが醍醐味のようだ。当日のラリーでも都内の各所を元気に走り回る国産旧車の姿が見られ、街行く人々の注目を集めていたのも印象的だった。

《土田康弘》

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