スーパー耐久ほろ苦デビュー、バイオディーゼルのマツダ3

55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept
55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept全 31 枚

スーパー耐久最終戦が行われた27日、鈴鹿サーキットにマツダが送り出した新型レーシングカーがデビューした。そのスタイリングの良さに多くの観客が注目した55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」。結果はほろ苦となったが、期待のできる走りを見せた。

2021年のスーパー耐久最終戦の岡山でデビューした55号車。ユーグレナ製のバイオディーゼル燃料を使い、スーパー耐久機構が認めた開発車両が戦うST-Qクラスに参戦していた。かねて2022年の後半に向けてマツダ3にマシンチェンジを行うとアナウンスはされていたが、開発が難航して最終戦に間に合うのか心配されていた。

11月5~6日に岡山国際サーキットで開催されたマツダファンフェスタ2022でマシンがアンベールされ、ベースのマツダ3から大幅に広げられたオーバーフェンダーを装着し、ロー&ワイドのボディは往年のレーシングカーを彷彿させるスタイリングを見せる。

マツダのテストコース繰り返し走行を行い、岡山国際サーキットでのマツダファンフェスタでデモランを行ったときにはそれほど問題はなかった。しかしスーパー耐久の現場にきてレーシングスピードでサーキットを周回したことで問題が発生してしまった。

2.2Lエンジンで300馬力を目指すとしていたが、実際にはそこまでの出力を出さず少し抑えた状態でレースに挑んだ。バイオディーゼルはマツダ2での実証実験でパワーやトルク、出力特性などだいぶ手の内にしてきていた。しかしマツダ3にマシンチェンジを行い、パワーやトルクが大幅にアップしたことで駆動系に負担がかかってしまった。

練習走行で駆動トラブルが発生し、予選は走行ができず決勝レースでは最後方からの追い上げるレースとなったが、周回をこなしていくうちに徐々に順位をあげていく姿が見られた。しかしまたもや駆動系にトラブルが発生し、長時間ピットで過ごすこととなってしまった。チェッカーを受けるために最後の力を振り絞ってコースに復帰したときにはスタンドからも拍手が起き、正式結果として36周でチェッカーを受けた。

マツダスピリットレーシングのチーム代表を勤め、Dドライバーとしてステアリングを握った前田育男氏は「これがレースなんだな、と改めて思いました。テストをたくさんやってきて、問題はなかったのですが、鈴鹿サーキットは入力が大きいのかトラブルが出てしまいました。マシンの準備もチーム力も足りない部分があったのだろうと思います。しかし人を育てるということは、どんな若手の教育プログラムを行うより格段にレベルアップしたと思います」とレースを振り返る。

ルーキーレーシングが走らせるORC ROOKIE GR86 CNF conceptと、スバルが走らせるTeam SDA Engineering BRZ CNF conceptの戦いに割って入り、マツダもBioディーゼルを使いながらST-Qクラスを盛り上げ、その先にあるカーボンニュートラルに向けて、来シーズンはもっと進化したマツダ3でレースに挑む。

《雪岡直樹》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る