BYDジャパンは12月5日、日本で2023年1月31日に『ATTO 3』の発売を開始すると発表した。価格は400万円(税込)。これを機にBYDの中国におけるフルラインナップを読み解く。
シェア約10%でVW、トヨタに追随
図は2022年10月の販売状況を示したもの。この月のBYDの中国市場におけるシェアは約10%だ。10%と言えば大きくない感じがするかもしれないが、約200ブランド、1000車種以上が常時販売されている中国の自動車市場では大きな数字となる。

中国市場シェア10%を超えるブランドは、独フォルクスワーゲン(アウディ含まず)、トヨタ自動車(レクサス含む)ぐらいなもので、珍しい。BYDはこの仲間入りを果たしつつあり、さらに今、販売を伸ばしている最中だ。
王朝シリーズとは? 中国の歴代王朝名を車種に命名
図を見て明らかなように、主力は王朝シリーズ。ATTO 3はこの中の一つ、『元PLUS』となる。王朝シリーズは現在までに、コンパクトセダン『秦(Qin)』、中型セダン『漢(Han)』、中大型SUV『唐(Tang)』、コンパクトSUV&MPV『宋(Song)』、小型&コンパクトSUV『元(Yuan)』の各シリーズからなる。
このうち、BYD自身もフラグシップと位置付けるのが漢と唐。それぞれEVとPHEVを用意しているが、PHEVの方が販売台数が多い。PHEVの人気が高い、というのはどのシリーズでも言える。
フラグシップであるがゆえに高額で、販売台数自体は多くはない一方、王朝シリーズで最も販売が多いのが宋だ。
BYDに限らず、中国メーカーはモデルに「Pro」「PLUS」などをつけたがるが、宋はさらに「MAX」などもあり、余計複雑になっている。宋の「Pro」「PLUS」はSUV、「MAX」はMPVとなる。

ATTO 3と元PLUSの価格、東風日産EV価格から見る日中ギャップ
今回日本で発売されるATTO 3のベースとなった元PLUSも王朝シリーズを支えるモデルの一つ。中国現地価格は13.78万~16.58万元(約271~326万円)。輸入等に絡む諸々の諸経費が含まれている関係か、日本の販売価格はより割高になっている。