JR四国は12月9日、運賃改定を2023年5月20日購入分から実施すると発表した。同日付けで国土交通大臣より認可された。同社の運賃改定は消費税転嫁を除くと1996年1月以来、27年ぶりとなる。
普通運賃の平均改定率は12.51%で、100kmまでは他の交通機関の運賃水準を考慮して、キロ数に賃率を乗じる従来の算出方法に拠らない対キロ区間制運賃を導入。101~200kmの区間は従来の算出方法とするが、賃率を16.20円から3円引き上げた19.20円とする。201km以上の区間については賃率を据え置く。

定期運賃では割引率の引下げが行なわれ、通勤定期は1か月用が平均52.9%から48.0%、6か月用が平均58.8%から53.2%、通学定期は大学生用1か月が74.7%から73.2%とされる。
通学定期の中・高生用については、高校生用1か月が76.9%から76.2%、中学生用1か月が81.6%から80.8%に引き下げられる。
これにより定期運賃の平均改定率は通勤が28.14%、通学が22.43%となるが、通勤定期については50%を超える改定率となる区間があることから、激変緩和措置を検討するとしている。
また、「トクトクきっぷ」と呼ばれる特別企画乗車券については、改定分相当を引き上げることを基本に、切符固有の事情を勘案して発売額を検討するとしている。
なお、この運賃改定認可を受けて特定運賃や特定特急料金に関する届出が行なわれており、前回の改定時に地方交通線で運賃表に代わり通常の営業キロ数を割増した擬制キロが導入された際、激変緩和措置により導入された特定運賃は廃止される。同時に瀬戸大橋線の加算運賃が導入されたことに伴ない適用された特定運賃も廃止され、通常の計算方法が適用される。
特定特急料金では自由席が25kmまでの区間を330円から450円に引き上げるとともに、50kmまでの区間をJR西日本と跨る区間を含めて廃止し、A特急料金と同額の760円に。指定席については25kmまでの特定料金を廃止して、こちらもA特急料金と同額(1290円)とされる。これら以外の特急料金については競合する都市間バス路線を考慮して据置きとされる。
これらの改定による増収で、JR四国では多度津工場の近代化やキハ40系に代わる新型一般型気動車の開発・新製、8000系特急型電車の大規模リニューアル、列車運行の効率化、デジタルサイネージの導入拡大、駅信号設備の更新による駅舎側ホームでの発着本数増加、トイレの洋式化、スマートフォンアプリによる新チケットシステムの開発・導入を図るとしている。
