スマホをメインユニットに繋ぐ「AUX」と「USB」…キーワードから読み解くカーオーディオ

スマホを車内で活用している一例。
スマホを車内で活用している一例。全 3 枚

カーオーディオでは専門用語が多々使われる。そしてそれらの存在が壁となり、興味を抱いたビギナーを跳ね返す…。当連載はその払拭を目指して展開している。今回は、スマホを「メインユニット」に繋ごうとするときに使われる用語にフォーカスする。

◆スマホがあれば車内で好きな音楽を存分に楽しめる。さて、どう繋ぐ?

前に解説したように、「メインユニット」とは車内で音楽を聴こうとするときの核となる装置だ。なお「メインユニット」はさまざまな役割をこなす。音楽信号をメディアから読み取る役割(ソースユニット機能)、サウンド制御を行う役割(プロセッサー機能)、音楽信号を増幅する役割(パワーアンプ機能)等々だ。

なお「ソースユニット機能」をこなす際には、かつてはCDが用いられることが多かった。しかし現在はスマートフォンが接続されることが増えている。なぜなら、スマホに大量の楽曲データを格納しているドライバーが多いからだ。さらに昨今は、音楽ストリーミングアプリが使われることも増えている。つまり、スマホを繋げられさえすれば、車内で好きな音楽を存分に楽しめる。

となると、問題となるのはその接続方法だ。ちなみにいうと、最新の「メインユニット」の多くがスマホとの連携力が高められていて、さまざまな接続方法の中から好みのやり方を選択できる。例えばどのような方法があるかというと……。

スマホを車内で活用している一例。スマホを車内で活用している一例。

◆手軽な接続法法は「AUX端子」を活用するやり方!

もっともシンプルなのは、「AUX端子」を活用するという方法だ。なお「AUX」とは「auxiliary(オグジリアリ)」の略で、当単語には「補助」とか「予備」という意味がある。つまり「AUX端子」は、外部音声を入力するための予備的な端子、というわけだ。

ちなみに「AUX端子」は「メインユニット」が「カセットデッキ」だった時代から存在していた。CDが登場し、ポータブルCDプレーヤーを車内でも使いたいと考えるドライバーが増えたころ、これの装備が広がった。しかし「メインユニット」がCDプレーヤーへと変遷した以降は、外部機器を繋ぐ必要性が低くなりこれが装備されないことも増えていく。

しかし2000年代の半ばころに「iPod」が普及しこれを車内でも活用したいと考えるドライバーが増加し、「AUX端子」の装備が復活していく。これが備わっていれば、「iPod」のイヤホン端子と「メインユニット」の「AUX端子」とをピンケーブルで接続すれば車内で「iPod」内に収められている音楽をカースピーカーから聴けるようになるからだ。

「iPhon」を「USB」にて接続しているときの「メインユニット」での表示例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。「iPhon」を「USB」にて接続しているときの「メインユニット」での表示例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。

◆「USB端子」はそもそも、「iPod」を繋ぐためのものだった!?

しかしそれに続いてすぐに、「USB端子」の普及が進む。「iPod」に対応する「メインユニット」が増え、そういった機種では「USB端子」にて「iPod」を繋ぐこととなるからだ。そうすることで「iPod」と「メインユニット」が相互に通信できるようになり、曲目等を車載機の画面上に映し出せ、曲送り等の主要操作を車載機側でも行えるようになる。

ところで現在は「iPod」は市場から消えていて、今は「メインユニット」は「iPhone」と「USB端子」にて接続でき、そうするとミュージックアプリの曲目等を車載機の画面上にて映し出せ、曲送り等の主要操作を車載機側でも行える。なのだが実はこの機能は、「iPhone」の「ミュージックアプリ」を「iPod」として認識しているにすぎない。つまりこの機能は「iPod接続機能」だ。なので基本的には、車載機がアクセスできる「iPhone」内のアプリはミュージックアプリのみだ(場合によっては音楽ストリーミングアプリも使えることもある)。

というわけで、手持ちのスマホが「iPhone」でミュージックアプリの音楽を聴くことが多いという場合には、「USB接続」は便利だ。主要操作を車載機側で行えて、場合によってはステアリングリモコンも使える。そして充電もできる。

しかしながら、もっともスタンダードなスマホの接続方法はズバリ、「Bluetooth接続」だ。というわけで次回は「Bluetooth」というワードにフォーカスする。お楽しみに。

《太田祥三》

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