「素人でもドリフトを楽しめる」ヤマハの高性能モーター搭載EV、試作車を公開

ドリフトコントロールも搭載したヤマハ発動機の開発用コンバートEV
ドリフトコントロールも搭載したヤマハ発動機の開発用コンバートEV全 11 枚

ヤマハ発動機は電動モーターや車両制御ユニットなど電気自動車(EV)向けに開発したデバイスを使って、既存のエンジン車をEVに改造したコンバートEVの試作車を報道陣に公開した。運転する楽しさを提供するため、「ドリフトコントロール」も搭載されている。

写真:ドリフトコントールを搭載したヤマハのコンバートEV

コンバートEVはケータハムの『スーパーセブン』をベースに、左右独立制御の35kW電動モーター2基を始め、車両やモーター制御ユニットのほか、アクティブサウンドコントロールユニットと名付けた音響デバイスなどを備えている。

担当者の山村拓也氏によると「この車両は世に出すということではなくて、ヤマハのモーターを使ってできることの提案や、開発を進めるための試作車。ベース車からパワートレインをまるごと取り出して、フロント側にバッテリー、リアにモーター本体やコントロールユニットとを載せた仕様になっている」という。ちなみにバッテリーは日産自動車『リーフ』で使われているものを「小分けにして載せている」とのことだ。

またこのコンバートEVにはドリフトコントロールも搭載されている。その仕組みは「ドライバーがアクセルを全開にするとハンドルの切れ角に応じて、どれくらいタイヤを空転させればドリフトするかというのを計算してモーター側に出力を要求する」と山村氏は解説する。

ヤマハで4輪向けコンポーネントの開発を手掛ける技術研究本部AM開発統括部の原隆統括部長は「運転する楽しみを提供するための、ひとつの題材としてドリフトコントロールの開発を進めている。経過としてはそこそこのレベルに達成している」と開発の経緯を語る。

そのレベルについては「クルマに全く興味のない、運転もあまり上手ではない人が、この制御を使ってドリフトコントロールできる。低ミュー路を再現して通常ではほぼコントロールできないような状態でも、制御を使ってうまくコントロールするように仕上げている」。EVにも操る歓びを追求する、ヤマハらしい取り組みのひとつだ。

《小松哲也》

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