「HDMI端子」があれば車内エンタメが充実する…キーワードから読み解くカーオーディオ

「HDMI端子」を備えたメインユニットの一例(アルパイン・DAF11Z)。
「HDMI端子」を備えたメインユニットの一例(アルパイン・DAF11Z)。全 4 枚

カーオーディオを楽しもうとするときに目にする専門用語の意味を、1つ1つ解説している当連載。現在は「メインユニット」に関連した用語をクローズアップしている。今回は、「メインユニット」への装備が広がっている「HDMI端子」について説明していく。

1本のケーブルで、映像と音声の両方をハイクオリティに伝送できる!

結論から入ろう。「HDMI」とは、「High-Definition Multimedia Interface」の略称で、意味は「高精細度マルチメディアインターフェース」だ。要は、デジタル家電やAV機器の間で高品位な映像信号と音声信号をやり取りするための規格だ。2002年に、さまざまな半導体メーカーや家電メーカーによって策定された。

なお当規格は、1本のケーブルで映像と音声の両方を伝送できることが特長だ。例えばアナログの映像・音声ケーブルは普通、赤・白・黄の3本構成となっている。つまり、ステレオの右chの音声信号、左chの音声信号、そして映像信号をそれぞれ1本ずつのケーブルで伝送するが、「HDMI」はそれらを1本のケーブルで送れる。しかも、ケーブル内を流れる信号はデジタル信号なので、伝送中の劣化が少ない。また、大容量の信号を伝送できるという特長も持つ。

さて、「メインユニット」にこの「HDMI端子」が備わっていると何ができるようになるのかと言うと…。

「HDMI端子」を備えたメインユニットの一例(パナソニック・ストラーダ CN-F1X10BGD)。「HDMI端子」を備えたメインユニットの一例(パナソニック・ストラーダ CN-F1X10BGD)。

「HDMI入力端子」があれば、スマホの「ミラーリング」が可能に!

まず「HDMI入力端子」が備わっていると、デジタル機器を外部プレーヤーとして活用できるようになる。例えばデジタルカメラを繋いでそれに収められている画像や映像を車載機のモニターに映し出せて音声をカースピーカーで聴けたり、ゲーム機の映像と音を楽しめたりする。

のだけれど実際は、スマホの「ミラーリング」が成されることが圧倒的に多い(専用ケーブルやアダプター等が必要)。

「ミラーリング」では例えば、YouTubeを車載機の画面に映し出せて音声はカースピーカーにて聴けるようになる。ただし、アプリの操作は車載機のモニター上では行えない。「Bluetooth」接続のように、車載機側からの操作は実行できない。

しかし、アプリの画面を映し出せるようになることのメリットは多大だ。家でも今や、スマホを「ミラーリング」してストリーミングにて動画や映画が楽しまれることが多い。車内でも「ミラーリング」が行えれば、楽しめる映像コンテンツのバリエーションが一気に増える。

そして「メインユニット」に「HDMI出力端子」が備わっていると、「メインユニット」に接続したスマホの画面をリアモニターにも高画質で出力できる。

データシステム・HDMI変換アダプター HDA433データシステム・HDMI変換アダプター HDA433

「HDMI入力端子」が備わっていなくても、「ミラーリング」を行える!?

なお「HDMI入力端子」が備わっていないと「ミラーリング」を行えないかというと、そうとも限らない。「HDMI変換アダプター」なるものがいくつかのメーカーから発売されているので、これを用いるとスマホのデジタル信号をアナログ信号へと変えられる。なので愛用の「メインユニット」にアナログの映像音声入力端子が備わっていれば、「ミラーリング」を実行できる。

ところでトヨタ車純正のディスプレイオーディオには「HDMI端子」のみならずアナログの映像入力端子も備わっていないが、「ミラーリング」を行えるようにするアイテムが存在している。というのもトヨタ車純正ディスプレイオーディオには、オプションで地デジチューナーやDVDプレーヤーが用意されている。つまり、外部機器の映像信号を入力するための回路は存在している。なのでそれを活用して外部映像音声入力端子を増設できるようにするアイテムがあり、それと「HDMI変換アダプター」とを併用すれば、「ミラーリング」を行える。

ただし、この取り付け作業は簡単ではない。トヨタ車純正ディスプレイオーディオの裏側にアクセスする必要があるからだ。なので取り付けは、プロに任せた方が安心だ(その分の工賃は発生する)。

今回は以上だ。次回以降も、「メインユニット」に関連した専門用語の解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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