eモビリティを電力事業に活用、関西電力が取り組む仮想発電所とワイヤレス充電技術

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関西電力は、脱炭素社会に向けてeモビリティを電力事業に活用する取り組みを進めている。「くるまからモビリティへの技術展2022」の専門セミナーにおいて、同社 研究開発室 技術研究所 高嶋正也氏が、バーチャルパワープラント(VPP)実証実験やEVのワイヤレス充電技術に関する実証実験の成果・状況・課題などを発表する講演を行った。

関西電力の電動化戦略は社有車とモビリティ

関西電力のEVに関する取り組みは昭和の時代から行われていたという。ただし、技術実証が主なもので事業化を意識したものはなかった(高嶋氏)。しかし2019年、社会環境、経済動向の変化に合わせて「eモビリティビジョン」を掲げた。そしてそれに後押しされる形で2021年「ゼロカーボンビジョン2050」を発表。この中でEVに関する目標は、社有車の100%電動化。そして電力会社として間接的ながら運輸などモビリティ部門の100%電動化を後押しすることだ。

ここで言うモビリティ部門とは、陸上の自動車、トラックバスだけでなく船舶や航空機も含む。また、水素エネルギーもこのビジョンに含まれる。

ただし、関西電力はEVや船舶を直接作るような製造業ではない。モビリティに関連する事業は、運行管理を支援する、あるいは運行計画に沿ったエネルギーマネジメントが基本となる。陸海空のモビリティネットワークからの情報、需要を集約し統合的に発電・蓄電を行う。これによってエネルギーマネジメントの最適化を行い、電力事業の効率化、新ビジネスの開拓などへつなげる考えだ。

関西電力のVPPと走行中ワイヤレス充電の研究(くるまからモビリティへの技術展2022)

再エネは電力安定供給に欠かせない存在

そのひとつが普及が進むEVを使ったVPP事業だ。VPPは、EVのバッテリー、家庭用蓄電池、ヒートポンプなどを分散する蓄電池(電力ソース)として活用する考え方。これらの機器にたまった電力を系統電力にうまく流すことで需給の最適化、電力の安定供給につなげる。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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