次世代スマートシティは都市が知能を持つ…ゲームAI研究の最前線と活用の可能性

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自動車業界におけるAI(人工知能)研究は、主に自動運転やADAS分野の話になる。同様にモビリティや都市計画においてもAIの活用が広がっている。しかもその研究にはRPGゲーム、FPSゲームなど成果が活用されているという。

「くるまからモビリティへの技術展2022」ではスクウェア・エニックス AI部ジェネラル・マネージャー 三宅陽一郎氏が“スマートシティ=メタバースと「くるま」”と題して講演を行った。講演の内容は、ゲームAI研究の最前線とスマートシティでのAI活用の解説。現在の自動車産業は、CASE車両の拡大や業界ビジネスモデルの変革により、MaaSや都市計画との連携の重要性が増している。

ゲームAIは、スマートシティやこれからの都市計画、さらに今後の自動車においてどのような可能性を持つのだろうか。

◆人工知能が不可欠な現在のゲーム

コンピュータゲームのゲーム空間、敵キャラやモンスターの動き、シナリオはすべてプログラミングされているのが当たり前だ。敵はプログラムされたとおりにしか動かないので、それを逆手にとった技やバグを利用した技が成立した(特定の攻略法が有効だった)。しかし、現在のコンピュータゲームはこれらの動きにAIを利用するようになっている。

理由はゲームを面白くするため、リアルにするためだ。

「キャラクターは3次元空間を移動しなければならない。プレイヤーは人間が操作するが、敵やモンスターは仮想空間を認識して自律的に動く必要がある。しかもゲームを成立させるため攻撃したりプレイヤーの障害になるように出現したり、難易度を調整したりする必要がある。格闘ゲームなら、相手によって決まりやすい技、この状況だとこの技が有効だ、という判断もほしい。敵やモンスターの特性や性格を出すために、学習する機能も必要だ。例えば、打撃を与えるより攻撃を防ぐことを評価すると防衛力の高いモンスターを作ることができる」(三宅氏)

このような研究や開発は90年代半ばから急激に進化したという。ゲームが3D化したのがひとつの理由だ。ゲームが巨大化、複雑化したこともあり、プログラムやルールベースのAIですべてを記述することは不可能だ。そのため、機械学習、とくにディープラーニングと呼ばれるAIの研究が活発となった。

◆高度な3Dゲームを構成する3つのAI

現在の3Dゲームでは、3種類のAIを組み合わせて仮想空間の世界を実現(シミュレート)している。まずゲーム内の味方、モンスターなど登場人物や動物、ロボットなど(ゲームエージェント)の頭脳(知能)として機能する「キャラクターAI」。次にゲーム全体の流れを作ったりレベルや難易度、行動をエージェントに指示する「メタAI」。3つ目はメタAI、キャラクターAIのためにゲーム空間全体の情報を管理・提供する「スパーシャルAI」だ。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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