佐賀県知事がフリーゲージトレインの試験走行施設撤去に不快感 西九州新幹線の幅広い協議問題

2014年に登場したフリーゲージトレインの最新試験車両FGT9001~9004。西九州新幹線(武雄温泉~長崎)と在来線との直通を視野に開発が進められていた。2018年7月に開発が断念されているが、佐賀県では低速走行を視野に入れた導入も選択肢に入れるべきとしている
2014年に登場したフリーゲージトレインの最新試験車両FGT9001~9004。西九州新幹線(武雄温泉~長崎)と在来線との直通を視野に開発が進められていた。2018年7月に開発が断念されているが、佐賀県では低速走行を視野に入れた導入も選択肢に入れるべきとしている全 1 枚

山口祥義佐賀県知事は1月20日に開かれた定例会見で、膠着状態が続いている西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間の「幅広い協議」問題について記者の質問に答えた。

幅広い協議では佐賀県がフル規格ありきではなくフラットな視点での協議を主張しているが、国との接触は1年以上も行なわれないままとなっている。

そうしたなか、整備主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が、九州新幹線の新八代駅(熊本県八代市)に設けられているフリーゲージトレインの試験走行設備を開発断念を受けた減損処理のために撤去する方針を示したとの報道が流れているが、これについて山口知事は「まったく連絡が来ていない」と述べ、遺憾の意を示した。

在来線を維持したい佐賀県としては幅広い協議でフリーゲージトレインの導入も視野に入れており、直通のメリットを活かすのであれば、整備新幹線の上限速度である260km/hは無理でも低速での走行も視野に入れるべきと主張していることから、撤去の方針は寝耳に水として映ったようだ。

現時点で撤去作業の時期は決まっていないということだが、実施されれば佐賀県が提唱する幅広い協議の選択肢のひとつを暗黙のうちに除外するかのような形となり、山口知事は佐賀県が評価している佐賀空港経由の南回りルートが建設費や軟弱地盤の問題などから難色が示されていることを含めて、国への不快感を露わにしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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