凸版印刷はオートモーティブワールド2023に出展し、電源のオン/オフで電源オフ時に可視光線透過率5%の「黒色」となる液晶調光フィルム「LC MAGIC(エルシーマジック)」の新グレード「ノーマルブラック」を初公開した。
同社は2016年より「エルシーマジック」を提供し、白色での調光フィルムは提供された実績があったが、黒色に変化させるのは技術的に困難とされていた。凸版印刷はこの課題に対し、この層構造内に色素をランダムに配置させることで可視光線透過率5%を実現することに成功。これにより、電源オフ時には95%の可視光線を遮蔽する「黒色」となり、電源オン時には43%の可視光線を通す半透明のライトグレー色とすることが可能になったという。
この技術はもともと液晶が不均衡に配列されていると液晶と高分子の屈折率が不一致となり、入射光が錯乱状態になる性質を利用したものだ。最小透過率は5%であるため、光をまったく通さない透過率0%に比べれば若干の光は透過するものの、ノーマルブラックを自動車のリアサイドガラスに組み込んだ場合、電源オフ時には屋外から車内の様子を覗き見ることはできず、サンルーフに適用した場合には晴天の日中であっても頭上からの光を遮ることが可能になるという。