『デリカD:1』ではない…デリカミニに込められた三菱の反省

デリカミニ(東京オートサロン2023)
デリカミニ(東京オートサロン2023)全 19 枚

三菱自動車がまもなくの発売を予定している新型軽スーパーハイトワゴンの『デリカミニ』。東京オートサロン2023でもカスタマイズ仕様が展示され、注目されていた。車名は三菱の主力ミニバンの『デリカD:5』の「ミニ」だ。車名について「おや?」と思う人がいるかもしれない。

【画像全19枚】

一時期、三菱はミニバンやスペースワゴンのシリーズを「デリカ」のサブブランドで統合し、従来型からのフルモデルチェンジを「デリカD:5」として、「デリカD:2」、「デリカD:3」というように車種を展開していたからだ。

D:2はスズキ『ソリオ』ベースの、D:3は日産『NV200バネット』ベースのそれぞれOEM供給車だ。D:2は2011年に登場、現在の三菱ラインナップの中ではコンパクトカーに分類されている。D:3も2011年に登場、2019年ごろ販売を終了している。

その流れでいくと、軽規格のデリカなら「D:1」になりそうだが、「ミニ」となった。いっぽう「ミニ」を用いる命名法は、さらに時代をさかのぼって、当時大ヒットしていた本格SUVの『パジェロ』をデザインモチーフにした、軽SUV『パジェロミニ』に例がある。1994年に初代が登場、軽規格の変更を経て、2012年ごろまで生産されていた。

三菱自動車商品戦略本部の藤井康輔チーフプロダクトスペシャリストは、デリカミニの商品コンセプトを「頼れるアクティブ・スーパー・ハイト・ワゴン」とし、ターゲットカスタマーは「気軽にアウトドアを楽しみたい家族」であり、「アウトドアやアクティビティを楽しみたい」、「身近なもので個性を表現したい」カスタマーであるとする。

ところが三菱によると、軽スーパーハイトワゴンの購入中心であるヤングファミリー層にとって「デリカ」は遠い存在になっている、という。D:5で“本格派”を訴求したのが裏目に出たか。そこで新型車では、カスタマーに親しみを持ってもらうため、“可愛らしさ”を訴求することにした。車名はDナンバーではなく「ミニ」とし、スタイリングでも親近感のあるものを意図したという。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新車世界販売 ホンダ4位に転落、スズキ2位に浮上へ、2025年度下期[新聞ウォッチ]
  2. 小さくてびっくり! 噂のメルセデスベンツ「ベビーGクラス」、ついに実車をスクープ
  3. 「就職人気企業ランキング」総合トップは8年連続で伊藤忠商事、トヨタは42位に後退[新聞ウォッチ]
  4. 日産版の三菱アウトランダー!? 北米発表に「まんまやんけ!!」「かっこよ!」など日本のファンからも反響
  5. 「かっこいいな…」「普通に欲しい」インドで発表、ヤマハの新型電動スクーター2モデルに日本のファンも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る