JR西日本のATS-Pで曲線超過速度設定に誤り…EF65、EF81、DD51で5-30km/hオーバー

JR西日本のDD51形ディーゼル機関車。設定値が誤りだった当該の車番は明らかにされていない。
JR西日本のDD51形ディーゼル機関車。設定値が誤りだった当該の車番は明らかにされていない。全 2 枚

JR西日本は2月10日、一部の機関車で自動列車停止装置(Automatic Train Stop=ATS)P形(ATS-P)の設定値が誤っていたことを明らかにした。

【画像全2枚】

初期のATSは冒進事故(いわゆる信号無視)を防ぐため、線路上の地上子から車両の車上子へ一方的に送られる情報を基に走行・停止を判断していたが、警報音の確認処理を行なった後は機能しなくなる欠点があり、国鉄末期には速度照査型のATS-Pが開発された。

これは、地上子を通過すると停止信号までの距離を演算し車上子へ送信。車上ではブレーキ性能に応じた停車パターンを生成し、速度がパターンを超過した際に自動的にブレーキをかけるもので、2005年に福知山線で死者107人を出した脱線転覆事故が発生したことを受けて、2006年には曲線区間での速度照査にも対応するようになった。

曲線上では車両に応じて通常の制限速度に+αした設定値が定められているが、JR西日本ではこれについて、2011年の国土交通省令改正を受けた機能追加時に、電気機関車のEF65形5両、EF81形1両、ディーゼル機関車のDD51形5両で、所定の設定値より5~30km/hオーバーしていたことが判明したとしており、「当社の確認内容に不足があり、誤りに気付くことができなかった」と陳謝している。

当該の車両はすべて正しい設定値に修正済で、今後は受取検査時の確認方法を見直し、機器の機能確認を確実に実行するとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 【ホンダ プレリュード 新型試乗】タイプRのシャシー技術で「剛性重視」の走りと思いきや…島崎七生人
  5. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る