CASEカオスマップ2023「コネクテッド編」…各領域の主力プレイヤーと動向

コネクテッド領域における新たなトレンド「移動空間の拡張性(Augmentation)」

コネクテッドサービスの整理・分類

自動車のコネクテッド化は1990年代から始まった

各領域の主力プレイヤーやその動向

CASEカオスマップ2023「コネクテッド編」
CASEカオスマップ2023「コネクテッド編」全 1 枚

目まぐるしく移り変わる自動車業界。「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリング/モビリティサービス)」「Electric(電動化)」の各領域について、各主要構成要素をリージョン別に区分し、主要プレーヤーを一覧化したカオスマップと共にトレンドや動向を解説する。

コネクテッド領域における新たなトレンド「移動空間の拡張性(Augmentation)」

毎年年初に米国ラスベガスで開催されるCES。今年、多くの日本人にとって印象的だったのはソニー・ホンダモビリティから発表された新型EVブランド「AFEELA(アフィーラ)」のプロトタイプではないだろうか。

アフィーラというブランド名には、モビリティ体験の中にある「感じること」を表現すべく、ブランド名の中央に“FEEL”を置いている。つまり、人がモビリティを“知性を持つ存在”として感じ、モビリティがIT技術により人と社会を感じることが双方に行われる、ヒトとクルマはインタラクティブな関係性であるという意味が込められている。

自動車のコネクテッド化、スマート化に伴い、自動車メーカーが追求するUX(経験価値)の方向性がシフトしている。これまではいかに運転中のドライバビリティを上質なものにするかといったことから、自動運転で移動する車内をいかに快適に・楽しく・効率的に過ごせるかが追求されるようになった。

ソニー・ホンダのアフィーラも車内エンタメ要素を充実させる予定で、旧来のオーディオ・ビジュアル機能に加え、リアルとバーチャルの世界を融合し、移動空間をエンターテインメント空間、すなわち「感動空間」へと拡張していくことを目指していくという。

これまで自動車の「コネクテッド」と言えば、クルマが無線通信を介して外部と繋がる「V2X」や「インターネット接続」など、ITS(Intelligence Transport System:高度道路交通システム)の延長線上で語られることが多かった。しかし最近ではXR技術(AR/VR/MR技術)、メタバースなどの技術を活用した「移動空間の拡張性(Augmentation)」も、「コネクテッド」という言葉に含まれるようになってきている。

ソニー・ホンダモビリティはメタバースなどのデジタルをフルに活用し、新しいエンターテインメントの可能性を追求するのに加え、世界中に3.5億人ものプレイヤーがいる「フォートナイト」を提供するEpic Games(エピック・ゲームズ)とも協業し、モビリティにおける新たな価値観やコンセプトの検討を行っていくとしている。日産自動車はNTTドコモと共同で、5Gを活用し、走行中の車内でアバターを介して離れたところにいる人とコミュニケーションできる技術・サービスの開発を進めている。そして米・NVIDIA(エヌビディア)は、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW(ジーフォース・ナウ)」を中国・BYD、スウェーデン・Polestar(ポールスター)、韓国・現代自動車グループ(ヒョンデ)の車両に導入していく予定だ。

このように、CASEにおける「コネクテッド」は近年、インフォテインメント関連サービス分野を中心に、新たな動きや様相を見せている。

コネクテッドサービスの整理・分類

総務省が発足した「Connected Car社会の実現に向けた研究会」の整理では、コネクテッドサービスを「コネクテッド化を進める目的(安全⇔便利・快適)」と「データ元(車両・インフラ由来⇔外部リソース由来)」の2軸で、(1)セーフティ分野(運転サポートサービス群)、(2)カーライフサポート分野(データ駆動型サービス群)、(3)エージェント分野(ドライバーサポート群)、(4)インフォテインメント分野(エンタメ的サービス群)の4象限に整理・分類している。


《原西修三》

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