2025年大阪・関西万博の「空飛ぶクルマ」事業にANAやJALなど5社が決定

丸紅が運用予定のバーティカルエアロスペース
丸紅が運用予定のバーティカルエアロスペース全 20 枚

2025年日本国際博覧会協会は2月21日、「空飛ぶクルマ」事業について、その運行業者としてANAホールディングスとジョビー・アビエーション連合、日本航空(JAL)、丸紅、スカイドライブ、また会場内ポート運営企業としてオリックスを選定したと発表した。

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大阪・関西万博は未来社会の実験場をコンセプトに掲げ、新たな技術を実証することにより、イノベーションの誘発や社会的な課題解決を示していく場と考えている。とりわけ空飛ぶクルマは、空の移動革命をもたらす新たな移動手段である。大阪・関西万博において、空飛ぶクルマが世界中の人々に夢や驚きを与え、若者や子供たちがワクワクするような万博の目玉になっていくように期待している」と岡田直樹国際博覧会担当大臣は冒頭の挨拶で述べた。

◆運行業者は4グループ

今回の運行業者には12グループが応募し、そのうち4グループが選ばれたという。その4社が万博会場内ポートと関西空港、大阪都心部などの会場外ポートをつなぐ。機体はそれぞれのグループが用意し、万博までに機体の型式認証などを取得する。4社の棲み分けや料金などについてはこれから決めていくそうだ。

ANAホールディングスは、トヨタ自動車などが出資する米新興企業のジョビー・アビエーションが開発した電動エアモビリティ「eVTOL Joby S-4」を活用して運航を目指す。5席仕様で、最高速度が320km/h、航続距離が最高240km。高い静粛性と高速性を誇るという。

「1970年の大阪万博の年、私は中学1年生でアポロ11号が持ち帰った月の石を自分の目で見て、本当に感動し、宇宙への夢を膨らましたことを鮮明に覚えている。2025年、日本のこともたちへ同じような夢や感動を届けられるよう、ANAホールディングスはパートナーの米国ジョビー・アビエーションとともに取り組んでいく」と芝田浩二社長は話す。

ANAが運用予定のジョビーANAが運用予定のジョビー

JALはドイツのボロコプターと組み、同社が開発する2人乗りマルチコプター型の電動垂直離着陸機「ボロシティ」で運行を目指す。「ボロというのはラテン語で“飛ぶ”という意味で、日本語だと微妙なところがあるが、ユーモラスな名前と記憶してもらえればと思う」と赤坂祐二社長。JALは1970年の大阪万博ではジャンボジェットを初めて就航させて大量航空輸送時代を築いたが、25年の大阪万博では真逆の2人乗り空飛ぶクルマで新たな時代を築こうと考えている。

丸紅は英国バーティカル・エアロスペースと業務提携をして、空飛ぶクルマの市場性について検討を進めてきた。今回、そのバーティカル・エアロスペースとロールスロイス、ハネウェル、ソルベイが共同開発した「VX4」で運行を目指す。5人乗りで、最高速度が325km/h、航続距離が約161km。2025年に型式証明を取得する予定で、丸紅は2023年1月に25機分の購入予約権を取得したという。

スカイドライブは2018年7月に設立した企業で、空飛ぶクルマ「SD-05」を開発して、運行を目指す。電動の2人乗りマルチコプター型機体で、重量が約1100kg、最高速度が約100km/h。25年の大阪万博を機に空飛ぶクルマ事業を立ち上げ、26~30年にかけて大阪を中心に全国各エリアへ導入を進め、31年以降に日常のモビリティとして定着を目論む。

SkyDrive SD-05(イメージ)SkyDrive SD-05(イメージ)

◆空飛ぶクルマは新たな乗り物

「2023年は万博の開幕に向けた『実行実現の年』としてあらゆる準備を加速していく。空飛ぶクルマ事業は人々が日常生活の中で、安全で自由な空の移動という豊かな体験を享受できるものであり、未来社会の実現に貢献するものである。クルマでもない飛行機でもない、あるいはクルマでもある飛行機でもある。そうした新たな乗り物として人々に快適でスピーディな以上手段を提供する。また、遠隔地と都市を結ぶ交通手段として、地方を活性化する事業でもある」と2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務局長は話す。

空飛ぶクルマは次世代の移動手段として期待され、一説には40年に世界の市場規模が約200兆円にもなると言われている。そのため、世界各国でその事業化に向けた取り組みが進んでいる。日本も2025年の大阪・関西万博を機に事業化の動きが大きく加速していきそうだ。

《山田清志》

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