0~400m加速で世界新記録の8.55秒…ピニンファリーナのEV『バッティスタ』

0~800mの加速性能でも世界新記録

4個のモーターで最大出力1900hp

ドライバーの左右に大型ディスプレイ

アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ
アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ全 10 枚

アウトモビリ・ピニンファリーナ(Automobili Pininfarina)は2月23日、ハイパーEV『バッティスタ』の公式テストをインドで行い、2つの量産車世界最速記録を打ち立てたと発表した。

アウトモビリ・ピニンファリーナは、イタリアのデザイン工房、ピニンファリーナの親会社で、インドの大手自動車メーカーのマヒンドラ&マヒンドラ(マヒンドラ)が立ち上げた新ブランドだ。その最初の市販車が、EVハイパーカーのバッティスタ。バッティスタとは、ピニンファリーナの創設者のバッティスタ・ファリーナ(Battista Farina)氏に敬意を表すネーミングとなる。

◆0~800mの加速性能でも世界新記録

アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタアウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ

バッティスタは、インドの自動車走行試験センター(NATRAX)において、2つの速度記録を更新した。 バッティスタは、0~1/4マイル(約400m)と0~1/2マイル(約800m)の加速性能で世界最速を記録し、インドを走行した公道走行可能車両の中で最速の称号も獲得している。VBOX データシステムによって検証されたバッティスタのパフォーマンスは、1/4マイル加速が8.55秒、1/2マイル加速が13.38秒だった。8.55秒のタイムは、リマックのハイパーEV『ネヴェーラ』が2021年に計測した8.58秒を、0.03秒短縮するものだ。

今回の走行テストは、バッティスタのオーナーやドライバーなら誰でも、そのパフォーマンスを実際に体験できることを証明するために、開発ドライバーのStefano Costa氏をはじめとするイタリア本社の性能・試験・検証チームに加えて、自動車メディア『Autocar India』のHormazd Sorabjee氏とRenuka Kirpalani氏が参加した。

バッティスタの最高速テストは、ミシュランの「パイロット・スポーツ・カップ2」タイヤを装着して行われた。 このテストでは、Hormazd Sorabjee氏が358.03km/hの最高速を計測し、同メディアがインド最速記録として保持していた332km/hを更新した。 Renuka Kirpalani氏は357.10km/hを記録し、インド人女性ドライバーの世界最速記録を打ち立てた。 両記録とも、FIA(国際自動車連盟)加盟のインドスポーツ団体「インドモータースポーツクラブ連盟(FMSCI)」によって承認された。

続く加速テストでは、ミシュランの「パイロット・スポーツ・カップ2R」が装着され、1/4マイルと1/2マイルの2種類の加速テストで、量産車世界最速記録を樹立した。今回のテストで使用されたミシュラン製タイヤは、どちらもバッティスタ購入時に注文可能だ。

◆4個のモーターで最大出力1900hp

バッティスタでは、ドライバーが求めるドライビング体験を可能にするため、「カルマ」、「プーラ」、「エネルジカ」、「フュリオサ」、「カラッテレ」の5種類のドライブモードに異なる運転特性を設定した。このうち、フュリオサモードでは、4個のモーターが合計で最大出力1900hp、最大トルク240.6kgmを引き出す。パワフルなモーターが4輪を駆動し、トルクベクタリング機能も採用した。0~300km/h加速12秒以内、最高速350km/hの性能を可能にする。

リマックから供給を受けるリチウムイオンバッテリーは、センタートンネルとシート後方に、T字型にレイアウトされ、蓄電容量は120kWhとした。1回の充電での航続は、最大500kmに到達する。

ブレンボ製のブレーキは、カーボンセラミックを使用する。ローター径はフロント、リアともに390mmだ。キャリパーは、フロント、リアともに6ピストンとした。リアには、エアブレーキ機能が備わっている。

◆ドライバーの左右に大型ディスプレイ

アウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタアウトモビリ・ピニンファリーナ・バッティスタ

バッティスタのボディ構造は、フルカーボンファイバー製のモノコックに、カーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせる手法で軽量化した。車体の前後はアルミによる構造として、衝突時の衝撃を吸収する。

インテリアデザインは、エレガントさを追求しながら、ドライバーが運転に集中できるインターフェースを取り入れた。コンパクトなステアリングホイールの両側には、ドライバーに向けた大型ディスプレイモニターを設置したデジタルコックピットを採用する。

左側の画面で車両のダイナミクスとパフォーマンスをコントロールし、右側の画面でメディアとナビゲーションを操作する。ピニンファリーナによると、最小限のボタンとスイッチで、ドライバーが車と対話する方法を直感的に作り出したという。ドライバー正面には、小型ディスプレイモニターがレイアウトされ、重要な情報を表示する、としている。

《森脇稔》

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