鹿児島の花電車を譲ります…貴重な明治生まれの2軸車

写真のように装飾を外された状態で譲渡される「花2号」。鹿児島入りする前は無蓋電車で、「ブリル21E」という2軸台車を履く。
写真のように装飾を外された状態で譲渡される「花2号」。鹿児島入りする前は無蓋電車で、「ブリル21E」という2軸台車を履く。全 2 枚

鹿児島市電を運営する鹿児島市交通局は2月27日、花電車で活躍した「花2号」を譲渡すると発表した。

鹿児島市電の花電車は1979年2月に廃止された西日本鉄道(西鉄)福岡市内線で使われていた2軸車2両を譲り受けたもので、鹿児島には1978~1979年に転入し、20形20・21号の「花1号」「花2号」とされた。両車とももともとは明治時代の1911年に誕生した木造車で、福岡市内線時代の1954年頃には無蓋車に改造されていたという。

しかし、2002年に「花1号」が、2020年に「花2号」が引退し、2021年には「花2号」の後継として500形504号を改造した「花3号」が登場している。

「花2号」の譲渡は個人、法人を問わず無償で行なわれるが、「有効な活用方法を実現できること」「展示(設置)場所を所有していること」「車両の運搬計画が立てられ、また、搬送費用等の負担が可能であること」「展示(設置)後の管理及び安全対策が適切に行われること」「台車の外観を著しく乱さないこと」が条件となり、転売目的での譲渡は不可。

「花2号」を俯瞰した状態。櫓の上にパンタフラフが載る独特の形が目を引く。交通局の敷地では保存が困難として、今回、譲渡されることになった。「花2号」を俯瞰した状態。櫓の上にパンタフラフが載る独特の形が目を引く。交通局の敷地では保存が困難として、今回、譲渡されることになった。

譲渡の際は、制御器、制動弁、遮断器、抵抗器、空気圧縮機を取り外した現状渡しとなり、搬出費用は自費。搬出時期は7月頃となる。

申込みは3月15日17時まで鹿児島市交通局電車事業課車両係で受け付ける(鹿児島市交通局のウェブサイトにある「花2号活用計画書」に必要事項を記入したものをメールで送付)。選考結果は3月下旬から4月上旬にメールで通知される。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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