eBay で世界中のクルマ好きが欲しがる日本車部品は? 高値で取引される理由がわかった

日産スカイラインGT-R(R34)
日産スカイラインGT-R(R34)全 12 枚

いまオンライン・マーケットプレイス「eBay」(イーベイ)で売れてる自動車パーツはなにか? 世界中のクルマ好きが注目する日本国内自動車パーツが、都内で3月17日に開催された「eBay Japan Awards 2022 受賞式」でわかった。

eBay Japan Awards 2022 は、2022年度に優秀な成績をあげた日本のセラー(販売者)を表彰するアワードで、オートパーツ(自動車部品)カテゴリでは Obsolete Racing JDM 若林誉弘さんが個人枠で受賞。そこで聞いた「世界が注目する日本国内自動車パーツ」が、興味深い。

◆アメリカ25年ルール解禁前の日本車部品が高値で

「まずよく売れているのはエクステリア系の部品。日本でいういわゆる旧車を補修・リストアする、欧米をはじめとした各国のクルマ好きからオーダーがあります。そのなかでも改造用部品より純正部品が売れていますね。たとえば、日産R34『スカイラインGT-R』などは、アメリカ25年ルール解禁前の中古車の部品ということで、『どうしても欲しい』というオーダーが増えてます」(若林さん)

「アメリカ25年ルール」とは、アメリカ合衆国運輸省(NHTSA)が、初年度登録から25年以上経過したクルマであれば、右ハンドル車の走行を法律で禁止している米国内でも輸入を認めるという特別ルール。こうしたルールから、登場から25年が経ってない日本国内市場向けスポーツカーなどのパーツを米国内で手に入れるのは難しいといわれ、オーダーが増えるという。

◆S2000 や R34 GT-R などはあの映画の影響で

「バイヤーから『これが欲しい』『これを探している』という実際の画像が送られてくるのをみると、もはや日本では廃車レベルの朽ちたもの。『こんな部品でも走るの?』とも思ってしまいます。こうした廃車寸前のクルマを補修するのに、必要な部品が欲しいとオーダーがあります」

「日本で走り続けるための部品ではなく、向こうに渡って『ここを補修しないといけない』という部品たちで、『日本ではこんなところの部品は壊れないのに…』という部品が結構売れ筋だったりします。また、日本でありきたりの部品が、向こうでは高値で売れたりする。それはクルマ好きの僕も、びっくりするところでした」

「一番わかりやすいのは、映画『ワイルド・スピード』に登場する日本国内市場向けスポーツカーなどですね。ホンダ『S2000』や、R34 GT-R なども登場しています。こうした映画が火付け役になって、アメリカに輸入されてない日本車のなかでも登場から25年が経っていないクルマの部品はオーダーが多いです」(若林さん)

◆国産スポーツカーの純正部品人気が急上昇

世界最大規模といわれるオンライン・マーケットプレイス「eBay」(イーベイ)でも、自動車パーツカテゴリはいま、国産スポーツカーの海外人気の高まりを受け成長率3位。「純正部品の需要が加速し、とくに第4四半期は+38%と成長率1位を記録。年間でも+23%と大きく躍進した」という。

eBay Inc.の日本法人イーベイ・ジャパン古谷まゆみカテゴリーマネージャーは、「国産スポーツカーの純正部品の人気が引き続き衰えず、2022年第4四半期では前年同期比+37.7%で伸び率1位、2022 年の年間売上総額の前年比は+22.8%と加速的な伸びを見せています」と伝え、こう続けた。

「自動車パーツのなかでも新品・中古問わず需要が高いパーツはヘッドライト、フォグランプ、テールライトなどの電装部品です。たとえばホンダ『インテグラ・タイプR』のテールランプは、国内ECサイトの2~3倍の価格で取引されています。また、トーヨータイヤ『オープンカントリー』は、大型SUV 車両が抜きんでて普及している北米市場で絶大な人気を博しているタイヤで、今後もグローバルでの人気を落とさず、eBay上も活発に取引されると予想されます」(古谷CM)

また、イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部 北村直樹部長は、「2023年の年初は、いったんは円高がすすみましたが、円安傾向はまだまだ続くと思われます。日本の商品の競争力は第1四半期中は高いままであることが予想されます。また2023年はタックスリターンの影響が通常通り出てくると思われ、高価格帯の商品の売上拡大が見込まれます。ほかにも2023年は近年成熟してきた嗜好の多様化により、各カテゴリーで、熱狂的ファン向け商材に対する需要が、さらに拡大していくでしょう」と伝えていた。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. VW『ゴルフGTI』50年の歴史で最強、325馬力の「EDITION 50」発表
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る