【メルセデスベンツ GLC 新型】SUVの基幹車種、車幅はそのままに小回り性アップ

メルセデスベンツ GLC
メルセデスベンツ GLC全 14 枚

メルセデス・ベンツ日本はプレミアムミドルサイズSUV、メルセデスベンツGLC』のフルモデルチェンジを発表。予約注文を開始した。納車は3月下旬より順次予定している。

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◆メルセデスSUVラインナップの柱

現在メルセデス・ベンツ日本は12車種のSUVをラインナップし、同社の4割を占める重要なボディタイプだ。その中でも2016年2月に発表したGLCはJAIA(日本自動車輸入組合)のモデル別販売台数のトップ20に入り続ける人気の高いクルマだ。

同社代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏によると、「『Cクラス』と共通のプラットフォームが生み出す安全性と快適な乗り心地。乗り降りしやすく、周囲より目線が高くなる車高による運転のしやすさ。そして日本の道路や駐車場でも大変取り回しのしやすいボディサイズ。そして何よりデザインを気に入って購入される方が大変多くいらっしゃる」と紹介。

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏

またGLCはその前身の『GLK』から数えて、「全世界で累計260万台以上、昨年だけでも約35万台を販売したベストセラーSUVモデルだ。日本のみならず世界中の方々に愛されているモデルといえるのではないか」と述べる。

そして新型GLCは、「先代モデルの良いところを残しつつ正常進化したモデルだ」という。その良いところのひとつはボディサイズである。その上で、「全幅1890mmはそのままに全長を50mm伸ばしたことによる伸びやかなプロポーションと、スポーティなエクステリア。リアルウッドを取り入れ、質感がとても高いインテリアを併せ持つSUVとして生まれ変わった」とコメント。同時に、「何よりもSUVならではのオフロード性能も大幅に向上している」と述べた。

◆車幅はキープ

新型GLCの特徴を改めて述べると、日本の道路事情でも取り扱いやすいボディサイズをそのままに、オンロード、オフロードの性能を向上させ、本物のウッドパネルを使うなど、質感を大幅に高めたこと。そして『Sクラス』譲りの最新技術を多数採用した高い安全性と快適性能の3つにまとめられる。

中でも一番の特徴はボディサイズが先代モデルとほぼ同じであることで、全長4725mm(先代比+50mm)、全幅1890mm(±0mm)、全高1635mm(−5mm)となった。さらに、フロントタイヤの切れ角などにより最小回転半径は5.5mm(−100mm)、オプションのリアアクスルステアリング(4WS)を装着すると5.1mと大幅に小回り性能が向上し「日本の道路事情に大変マッチしており、駐車やUターンなど小回りが必要な場面で四輪駆動のミドルサイズSUVとは思えない小回り性能を発揮する」とメルセデス・ベンツ日本営業企画部部長の上野麻美氏はいう。

◆スターパターングリルをSUV初採用

エクステリアデザインは、メルセデスのデザイン基本思想であるセンシュアルピュリティを取り入れ、「ラインやエッジを極力減らし、曲面を描く彫刻的な面により陰影を生み出している」。さらに全長とホイールベースの拡大により伸びやかなスタイリングを実現し、「上品な中に逞しさを感じさせ、GLCのエレガントでスポーティーな性格を表現している」と上野部長。

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AMGラインを選択すると、「アグレッシブなデザインのバンパーとともに、SUVモデル初となるスターパターングリルを採用。スポーティーさと存在感をさらに強調したデザインになる」と話す。

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リアデザインは力強く張り出したフェンダーと水平基調のリアバンパー、2ピース構造で内部に立体感のあるリアコーディネーションランプを採用し、「リアエンドのワイド感をスタイリッシュに強調している」。

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インテリアでは、本物のウッドを採用したインテリアトリムを3パターン用意し質感の向上が図られたほか、ゼロレイア―デザインが用いられた大型センターディスプレイにより操作性が向上したという。これは、画面上の隅にオーディオや空調などのメニューが配されることで、画面を何度も切り替えることなく、操作が可能なデザインで、上野部長によると、「直感的な操作が可能となり、利便性・機能性が大幅に向上。このメニュー表示は固定されることなくMBUXが常にドライバーの行動を学習し、次にドライバーの方が必要と思われるコンテンツを提案もする」という。例えば、「よく訪れるエリアの天気予報を表示したり、だいたい決まった時間にご家族に電話する方にはその時間になるとMBUXがそろそろ家族に電話しますか?と提案もする」とのことだ。

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そのほかにも、MBUX ARナビゲーションもオプション設定するなど、利便性と安全性の向上も大きく図られている。

もうひとつ、オフロード性能に関しては、ドライバーに必要な情報を提供するオフロードスクリーンも備えられた。これは、各種機能にダイレクトにアクセスできるばかりではなく、「勾配、傾斜、高度、高位など走行に役立つ情報をまとめて表示することで、車両の状況が早く把握しやすくなるものだ」と上野部長。さらにダイナミックセレクトに荒れた路面での走行安定性を高めるオフロードモードを搭載。「急勾配の下り坂などのエンジン回転数とブレーキを制御し自動的に速度を一定に保つDSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)により険しい地形でのドライビングもサポートする」という。

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そして、大きなトピックは、360度カメラシステムのフロントカメラと左右のドアミラーにあるサイドカメラの映像を合成することでボンネットの下の路面イメージを可視化するトランスペアレントボンネット機能だ。これは、「ボンネットに隠れて見えない大きな石や、障害物、路面の深いくぼみなどを可視化することでオフロードの走行の安定性が高まる」ものだ。その合成画像はバンパーより先の映像をほんの僅かに遅らせて合成表示するので、ほぼリアルタイムにボンネット下を通過する状態を見ることが可能である。

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最後に上野社長は、「メルセデスベンツは今まさにEV化を目指す転換期の中、お客様の多様なライフスタイルにお応えすべく、電気自動車、プラグインハイブリッドモデル、ガソリン、クリーンディーゼルモデルと数多くのライトアップを取り揃えている。新型GLCはクリーンディーゼルエンジンとISGを搭載したマイルドハイブリッドモデルで、多くの方に選択肢のひとつとして選んでいただけるだろう」とコメント。そして、「年内にSUVの電気自動車2車種の発表も予定しており、引き続き魅力的な製品とサービスを展開していく」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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