フェラーリ最新オープンは620馬力、『ローマ』に「スパイダー」…欧州発表

13.5秒で開閉できる5層構造のソフトトップ

可動式のスポイラーを専用設計

特許取得の自動ウィンドディフレクター

0~100km/h加速3.4秒で最高速は320km/h以上

フェラーリ・ローマ・スパイダー
フェラーリ・ローマ・スパイダー全 10 枚

フェラーリは3月16日、「ローマ・スパイダー」(Ferrari Roma Spider)を欧州で発表した。2ドアクーペ『ローマ』のオープン版となる。

◆13.5秒で開閉できる5層構造のソフトトップ

ローマ・スパイダーには、ソフトトップを採用した。このソフトトップは、13.5秒で開閉が可能。走行中でも、60km/h以下なら開閉できる。リアシートのバックレストと一体化した特許取得のウィンドディフレクターで、ルーフオープン時の快適性を追求した。リトラクタブルハードトップに匹敵する音響快適性も備えているという。

ソフトトップには新素材が使われた。特別なファブリックは、カラーコンビネーションを選び、織り方を開発した。ツートーンの織りを4色から選んでビスポークの仕上がりにすることもできる。オプションで、テクニカルなファブリックが選択できる。虹色の光沢が特長の赤に仕上げられ、ルーフの立体的形状が強調される。

大型のガラス製リアスクリーンを採用した。ファブリックは5層構造で、風切り音やロードノイズを抑え、高速走行時でも静粛という。

フェラーリ・ローマ・スパイダーフェラーリ・ローマ・スパイダー

◆可動式のスポイラーを専用設計

格納されたソフトトップが占める空間は、高さ220mmで、同カテゴリー最小、と自負する。これによって、トランク容量は、ルーフ展開時でもクラストップの255リットルを確保している。

クーペのなだらかなファストバックのルーフラインを再現するため、リアスクリーンはソフトトップの一部とし、ルーフを開くときにトノカバーの下に折りたたまれる構造とした。スパイダーならではのスタイリングテーマとなっているのが、ルーフの基部を走るボディと同色のバンド。そこで、ルーフとリアスクリーンが、カーボン製のアクティブスポイラーと分かれる。これによって、シームレスに組み込まれたトノカバーが生まれた。ソフトトップを格納すると、アクティブスポイラーはリアベンチやヘッドレストとつながって見えるようにした。

ボディワークの変更によって、可動式のスポイラーも専用設計された。そのデザインは、このモデルのスタイリングと新たなルーフラインに合わせて開発された。クーペ同様、スポイラーは、ボディに作用する前後・左右の加速度や車速に応じて展開・格納されるが、スパイダー専用のキャリブレーションが施された。そのため、3種類のポジションは、ルーフオープン時の走行に合わせたものとなっている。

フェラーリ・ローマ・スパイダーフェラーリ・ローマ・スパイダー

◆特許取得の自動ウィンドディフレクター

停車せずに展開できる特許取得の自動ウィンドディフレクターの開発にも取り組んだ。ウィンドディフレクターを作動させたいときは、センタートンネルにあるボタンを押すだけで、後席乗員がいない場合、リアシートのバックレストが前席乗員の頭部の後ろに来るように回転する。

この位置では、通常なら車両後方からキャビンへ巻き込む気流がそらされ、乗員の周囲には空気が比較的静止した空間ができる。長身のドライバーでも、以前の2+スパイダーに比べて、頭部周囲の乱流の抑制効果が約30%向上した、と自負する。

展開式ウィンドストップの透過性を高めるため、中央部に横長の開口部を設けた。これは、空力ダクトとして作用するよう角度が調整されており、上から見ると両端が細くすぼまった形状に。この2つのジオメトリーによって、キャビンに吹き込む強力な気流も、乗員から充分に離れたところでそらされるという。

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◆0~100km/h加速3.4秒で最高速は320km/h以上

フロントミッドシップに搭載されるのは、排気量3855ccのV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。最大出力は620ps/5750~7500rpm 、最大トルクは77.5kgm/3000~5750rpmを引き出す。トランスミッションは、8速デュアルクラッチ「F1」を組み合わせている。

ローマ・スパイダーの乾燥重量は1556kg。動力性能は、0~100km/h加速が3.4秒、0~200km/h加速が9.7秒、最高速が320km/h以上だ。

サイドシルは、特別に開発された。また、ソフトトップの搭載に必要な複数のエレメントと、Aピラーやウィンドスクリーン周囲も変更されている。ボディシェルに関しては、クーペの基本的要素はそのままに、主にリアに重点的に手を加えて、ルーフを格納してもエレガンスが損なわれないよう、ラインを調和させることに力を注いだという。ボディシェルとシャシーのねじり剛性とビーム剛性を向上させながら、重量の増加は84kgに抑えた、としている。

《森脇稔》

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