BEVで存在感を増す中国勢、背景には補助金による低価格政策…バンコクモーターショー2023

3月21日は、22日からの正式開催へ向けて華々しいオープニングセレモニーが開催された
3月21日は、22日からの正式開催へ向けて華々しいオープニングセレモニーが開催された全 7 枚

第44回バンコク国際モーターショー(バンコクモーターショー2023)が3月22日から4月2日まで約2週間の会期で、バンコク郊外の大型展示施設インパクト・アリーナでスタートした。日本車が9割近くのタイ市場において、注目は電気自動車(BEV)をてこにして一気に攻勢をかける中国ブランドの存在だ。

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ジェトロが発表した資料によれば、タイでの2022年の新車販売台数は 84万9388台で前年比11.9%増となり、前年を上回るのは4年ぶりのこととなった。これまで新型コロナウイルス流行や半導体不足の影響を受けて前年比ダウンが続いていたが、その状況が改善したことでプラスに転じた。とはいえ、19年の100万7552台には届いておらず、23年も予測を90万台程度と見込むにとどまる。コロナ前までの完全復活にはもう少し時間がかかりそうな状況だ。

そんな中で日本車の販売シェアは9割弱と依然として高い。中でも好調ぶりを発揮しているのがトヨタで、22年の販売台数は20.5%増の28万8809台を記録。前年を上回る市場シェア34.0%を確保し、目標としていた28万4000台も上回った。

しかし、全体としては非日系の販売が拡大しており、トヨタ以外の日系メーカーがシェアを奪われる展開になっている。特に存在感を増しているのが中国メーカーだ。BEVをてこに販売攻勢を強めており、今年のモーターショーでは日本でも販売を開始したBYDをはじめ、GWM(長城汽車)、MG(上海汽車)が日系メーカーをしのぐ規模でブースを構えた。

背景には、本国の中国が世界最大のEV市場である上に、タイではBEVの完成車輸入税がゼロとなる利点を最大限に活用していることがある。たとえばMGが2019年に発売したBセグメントのSUV『ZS EV』は190万バーツという低価格に抑えたことで、初期受注が2000台に達したほど。しかも、今年は中国からNETAという54万9000バーツ(約210万円)という低価格を武器にした新ブランドが登場。中国勢は揃ってBEV攻勢に打って出た格好だ。

モーターショー事務局長のジャトロン・コモリミス氏にこのあたりの事情を聞いてみた。

それによると、「昨年はBEVだけで約1万5000台が販売された」といい、「これは補助金による低価格が実現できたからだ」という。また、タイ国内での充電インフラが不足しているのは事実で、「休日に郊外で出掛けて3時間の充電待ちが発生することもよく聞く話だ」とする。その意味で、「BEVは近所を走行する2台目需要の領域を出ておらず、来年の政局で補助金政策によって需要は大きく変化しそうだ」と回答した。

《会田肇》

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