賛否両論?新生『エリミネーター』が目指した開発のねらいとは…東京モーターサイクルショー2023

カワサキ エリミネーター SE(東京モーターサイクルショー2023)
カワサキ エリミネーター SE(東京モーターサイクルショー2023)全 20 枚

「足つき性能やサイズ感を確認したいとたくさんの方々にお越し頂き、ご好評を頂きました」

東京モーターサイクルショー2023に展示されたカワサキ 『エリミネーター』

東京に先駆けて開催された「大阪モーターサイクルショー」(会期3/17~3/19)での新型『エリミネーター』の評判を語るのはカワサキモータージャパンの赤池佑介さんだ。標準モデルと「SE」(専用カラーで、ミツバサンコーワ製の前後バイク専用ドラレコ付き)の2タイプあるがどちらも人気は高いという。

「標準モデルは水平基調のシンプルなスタイルをセールスポイントとし、SEでは黒で統一されたデザインと安全性能にも配慮した点を特徴としました」

カワサキ エリミネーター(東京モーターサイクルショー2023)カワサキ エリミネーター(東京モーターサイクルショー2023)

では、新生エリミネーターが目指した開発の狙いはどこにあるのか。

「いわゆるカタログスペックをバイク選びの最優先順位にするのではなく、生活のなかの移動ツールとしてモーターサイクルを考えているお客さま、さらにはモーターサイクルライフを気軽に、そしてオシャレに楽しみたい方に乗って頂きたいと思い、開発を進めてきました」

◆「気軽さ」と「余裕」がキーワード

カワサキ エリミネーター SEの足つきをチェックカワサキ エリミネーター SEの足つきをチェック

気軽に乗るためには取り回し性能が気になるところ。跨がってみると非常にコンパクトで、車体の引き起こしも軽い。ハンドル位置はやや高めで上半身はしっかり起きるから、ゆったりとしたライディングポジションがとれる。

車両重量は176kg(SEは178kg)と見た目からすると軽量で、シート高は735mmと原付2種スクーター並に低いし、フレームは足の付け根部分がキュッと狭められている。よって身長170cm/67kgの筆者では両足裏がべったり着く。まさに気軽だ。

ちなみに筆者が跨がっている画像は、カワサキが純正アクセサリーとして用意する標準位置から20mmダウンの「ローシート」(4万9390円)を装着した状態。さらに標準位置から30mmアップの「ハイシート」(ローと同額)も用意され、体躯に合せたセットアップができる。

カワサキ エリミネーター SE(東京モーターサイクルショー2023)カワサキ エリミネーター SE(東京モーターサイクルショー2023)

「所有満足度を高めて頂くため各所をしっかり造り込みました。また、余裕が感じられること、ここも大切にしています。この余裕を生み出すため、排気量を400ccクラス(398ccショートストローク型の並列2気筒エンジン)に設定しました。たとえば、都市部から高速道路を使って郊外へツーリングする際、仲間にリッタークラスのバイクがいたとしても一緒に走りが楽しめる、そんな走りの余裕を実感頂けると思います」

カワサキでは数種類のエンジンラインアップがある。もちろん250ccクラスでも高速道路を無理なく走れるし、楽しさもある。ただ今回のエリミネーターでは気軽さと余裕を同居させる目的で400ccに設定したという。

◆往年を知るファンからは賛否両論?

カワサキ エリミネーター。左が「SE」(東京モーターサイクルショー2023)カワサキ エリミネーター。左が「SE」(東京モーターサイクルショー2023)

ところで筆者はその昔、「エリミネーター400SE」(ビキニカウルの1990年式)と「エリミネーター900」(並行輸入車)に乗っていた時期があった。往年のエリミネーターを知る多くのユーザーからの意見は2つに分かれるようだ。一方、10~20代の若い世代からは男女問わず、ものすごく好意的に受け入れられていると聞く。

その筆者からすると、現代的な解釈のもと蘇った新型の誕生は素直に喜ばしい。とくに全身ブラックで正装したSEの設定にはグッときた。ビキニカウルが改められ今や小型のライトカウルに留まるが、SEならではの迫力を演出するには十分に効果的だ。初代をオマージュしたテールレンズにしても、車体全体のデザインに合わせ、やや小ぶりなサイズに落ち着いた。

「カワサキにはニンジャ、Z、W、ヴェルシスなどたくさんのブランドがあります。スペック重視から味わい重視までたくさんの方向性があるなかで、気軽さと余裕を感じて頂ける新たな選択肢としてエリミネーターを位置付けました」

カワサキ(東京モーターサイクルショー2023)カワサキ(東京モーターサイクルショー2023)

選択肢といえば、カワサキは電動化にも積極的だ。スポーツモデルのパワートレーンを内燃機関から電動モーターへ置き換え、電動バイク(BEV)化したプロトタイプの開発を継続している。本来であれば必要のないクラッチレバーを装備し、BEVながらマニュアル変速操作を残すなど、電動バイクでの新たな楽しさを提案する。

過去の例(125cc~1000ccまでのシリーズ展開)、そして昨今の販売事情からすれば、個人的には400ccに留まらない発展にも期待したい。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。

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