【スズキ ジクサーSF250 試乗】250ccのスポーツバイクで一番最初におススメしたい…伊丹孝裕

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スズキ ジクサーSF250
スズキ ジクサーSF250全 49 枚

普通自動2輪の免許を取り、これから本格的にバイクの世界へ足を踏み入れようとしているビギナー。

あるいは、気軽に乗れるセカンドバイクを探しているベテラン。そういうライダーから「250ccまでのスポーツバイクで、なにかおすすめはありますか?」と聞かれたら、まずこのモデルの名を挙げる。スズキの「ジクサーSF250」である。

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◆無視できないコストパフォーマンスの高さ

バイクは趣味の世界ゆえ、コストパフォーマンスという表現をあまり使いたくない。その言葉には「好き」「かっこいい」「乗りたい」という素直な感情よりも、損得計算が先立つイメージがあるからだ。とはいえ、ジクサーSF250の車体価格が51万4800円であることを踏まえると、やはりその面で圧倒的に優れている。同じ排気量帯のフルカウルモデルと比較すると、少なくとも10万円ほど、大きければ45万円ほども差があり、リーズナブルさは無視できるものではない。

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もちろん、ジクサーSF250のエンジンが単気筒なのに対し、周囲の多くは2気筒、モデルによっては4気筒ゆえ、根本的にステージが異なる。そのぶん、パフォーマンスが見劣りするなら、「やっぱりそうだよね」で終わるところだが、このモデルの走りはスペックでは計れない。人からアドバイスを求められた時のみならず、自分用の一台を探す場合でも、きっとジクサーSF250を選ぶ。価格、エンジン、ハンドリング、スタイリング、扱いやすさ……。それらすべてのバランスが、スリムな車体にきちんとまとまっているからだ。

◆スズキの代名詞であり、オリジナリティともいえる油冷エンジン

大きな魅力は、やはりエンジンだ。2019年の東京モーターショーで単体展示され、一定の世代はスズキの代名詞でもある油冷の復活を歓迎。新しい世代にとっては、他メーカーとは一線を画すオリジナリティが感じられたのではないだろうか。

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ジクサーSF250に搭載された249ccの油冷4ストロークSOHC4バルブエンジンは、80年代のモータースポーツで大活躍したGSX-Rシリーズの4気筒とはもちろん、NZやDR、グースシリーズに採用された大小様々な単気筒とも設計が異なるが、かつての知見を活かしながら刷新。また、そのシステムが「SACS(Suzuki Advanced Cooling System)」から「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」へと名を変えている通り、冷却面でも構造面でも高効率化に成功した新開発ユニットだ。

◆すべてがほどよいエンジン特性

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それにしても、エンジン特性のすべてがほどよい。26PS/9000rpmの最高出力と2.2kgf・m/7300rpmの最大トルクはフレキシビリティに富み、街中でストップ&ゴーを繰り返しても煩わしさやストレスは皆無。3000rpmも回っていれば、充分なスロットルレスポンスを発揮し、ギヤポジションをさほど意識しなくとも、いつでもどこでも力強いダッシュが得られる。

そのまま右手を開けると、7000rpm前後を境に吹け上がりにシャープさが増し、レッドゾーンが始まる10000rpmまで、瞬く間に回転が上昇していく。トルク任せの散歩的な走りからパワーバンドを意識したスポーティな走りまでカバー。レブリミッターに当たらないようエンジンの声を聞き、クラッチレバーとシフトペダルをフル稼働させながらコーナーとコーナーを繋いでいくのが楽しい。

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また、高速道路で100km/h巡航をした時の振動は抑えられ(エンジン回転数は6500rpm強)、高低差のある区間でも力不足を覚える場面はない。その印象に、少なからず貢献しているのが空力のよさだ。スクリーンは驚くほど小振りながら、ウインドプロテクションとしてきちんと機能。上体に当たる風を適度に受け流し、疲労軽減の役割を果たしてくれていることがわかる。

◆ペースを上げても自由自在のハンドリング

街中や取り回しもさることながら、ペースを上げた時の振る舞いでひと際好印象なのが、ハンドリングの軽やかさだ。単気筒ゆえ、これまた他のフルカウルスポーツと比較すると当然ではあるが、完全にワンランク下のヒラヒラ感を実現。ハンドルやステップに対する入力、荷重移動などといった小難しさをすっかり忘れていても、車体の鼻先は自由自在に曲がりたい方向へ向かっていく。800mmのシート高は低い部類ではないものの、そのぶん車体のリーンにはキレがあり、前後に採用されたラジアルタイヤと1345mmのショートホイールベースも高い機動性を引き出している。

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そうした手の内感を演出しているのが、バランスのいいライディングポジションだ。流して走っている時は快適に、積極的に操ろうとする時は足腰を動かしやすい自然な位置にハンドル・シート・ステップがある。伝統的に車体と身体の接点の作り方に長けているのがスズキの美点であり、ジクサーも例外ではない。ひと言で言えば一体感に優れ、だからこそ手足のように扱える。

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質感に関しては、「車体価格の割には」という前置きを必要とせず、ごく素直に評価して高い。スイングアームマウントのリアフェンダー、ブロンズ塗装のエンジンケース、繊細な肉抜きと切削加工が施されたホイールなど、凝った意匠のパーツが多数あり、そのいずれにも子どもっぽさがない。カウルのデザインやカラーリングも同様で、アジア的な加飾が抑えられているため、ベテランが所有しても気恥ずかしさを感じずに済む。

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バイクのある生活を始めたい。バイクそのものだけでなく、その先にあるものやことも楽しみたい。そう思い立った時、ジクサーがもたらしてくれる間口は低くて広い。長く深く付き合える高い資質が散りばめられている。

スズキ『ジクサーSF250』の公式ページはこちら

■5つ星評価
スズキ ジクサーSF250
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

伊丹孝裕|モーターサイクルジャーナリスト
1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

《伊丹孝裕》

モーターサイクルジャーナリスト 伊丹孝裕

モーターサイクルジャーナリスト 1971年京都生まれ。1998年にネコ・パブリッシングへ入社。2005年、同社発刊の2輪専門誌『クラブマン』の編集長に就任し、2007年に退社。以後、フリーランスのライターとして、2輪と4輪媒体を中心に執筆を行っている。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム、鈴鹿8時間耐久ロードレースといった国内外のレースに参戦。サーキット走行会や試乗会ではインストラクターも務めている。

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