『JPNタクシー』がタイを走る日も近い? 実現度が高そうな理由…バンコクモーターショー2023

タイでよく見かけるカラーリングにラッピングされたJPNタクシー
タイでよく見かけるカラーリングにラッピングされたJPNタクシー全 6 枚

「バンコクモーターショー」のトヨタブースには、見慣れた形のクルマが1台が展示されていた。そう、日本でタクシーとして使われている『JPNタクシー』である。

タイでよく見かけるカラーリングが施され、「LPG HEV TAXI CONCEPT」と名付けられてはいるが、見まごうことなくJPNタクシーである。タイでは一般的なセダン(カローラアルティス)のタクシーを多く見かけるが、ツーリスト用としてトヨタ『フォーチュナー』なども存在している。そこにBYDの『E6』なども参入を始めている。

リヤスライドドアは大きな体格の人でも乗り降りが楽リヤスライドドアは大きな体格の人でも乗り降りが楽

ツーリストの多いタイでは、パワーユニットではなく、パッケージで考えた場合、セダンよりもJPNタクシーのような背の高いモデルを求めるタクシー客も多くいるので、このJPNタクシーの導入はタイ、とくにバンコクのタクシー事情を大きく変えることになるかもしれない。

タイは日本と同じ左側通行の右ハンドル。そして、タクシーの多くは燃料にLPガスを使っているので、導入は比較的楽にできるはずだ。実際、展示されていたモデルは、日本仕様そのままでラッピングを施しただけであった。

もちろん右ハンドル。各種スイッチが右下に集中していて、操作性がいいとともに、助手席からは操作できないもちろん右ハンドル。各種スイッチが右下に集中していて、操作性がいいとともに、助手席からは操作できない

ただ、ひとつ大きな問題がある。それは、タイは輸入車に対する税金がやたらと高いのだ。コストが重視されるタクシーだけに、JPNタクシーを導入するとなると日本生産という訳にはいかないだろう。ということは必然的にタイ生産となる可能性が高い。

タイはASEANの一員で、タイで生産したクルマをASEANに輸出した場合は税金関連の優遇が受けられるので、JPNタクシーはASEAN諸国で爆発的に増える可能性も考えられる。さらに言うなら、日本で走っているJPNタクシーが日本で生産されなくてはならない理由が減り、タイに生産移管される可能性もある。

これらは予想の域を脱しない話ではあるが、これからJPNタクシーの世界的拡散が始まるのかもしれない。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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