JR北海道は4月13日、「ワンマン電車」こと、737系通勤型電車の営業運行を5月20日から開始すると発表した。
同車は、JR北海道としては2012年6月に登場した733系通勤型電車以来の新系列電車で、クモハ737+クハ737の2両編成が最小単位となる(最大6両まで増結可能)。

オールロングシートの2扉車で、最高速度は120km/h。制御方式は主変換装置に省エネタイプのハイブリッドシリコンカーバイト(SiC)モジュールを用いたVVVFインバータ制御となっている。



13編成26両が札幌運転所に配置され、室蘭本線苫小牧~室蘭間の普通列車へ投入されるが、運転所から同区間への送込みの関係で朝と夜間に札幌~苫小牧間で運行されている普通列車や、H100形気動車で運行されている一部の列車も737系となる。
737系の投入により、苫小牧~室蘭間では時刻や運行区間が変更され、苫小牧~東室蘭間では3~17分、平均で9分短縮。同区間は最速55分で結ばれる。
これにより、2012年10月から運行されていたキハ143は札幌からの送込み運用を含めて撤退する。

同車は1994年度に当時非電化だった札沼線(学園都市線)桑園(札幌)~北海道医療大学間の輸送力増強用として、国鉄時代の50系客車(オハフ51)を改造して誕生した。
エンジンは、札沼線・石狩当別~新十津川間で運行されていたキハ40形400番台と同じ450PSのN-DMF13HZDを搭載し、車内は座席が2+1列配置のセミクロスシート。トイレなしが100番台、トイレ付きが150番台で区別され、室蘭本線では2両編成で運用されていた。キハ143の撤退後の去就は不明だが、経年から言って廃車される公算が高いと思われる。


ちなみにキハ143と同時期に札沼線で運用されていたキハ40形400番台は苗穂工場で解体が始まっており、6月で運行を終了するJR東日本の『SL銀河』で使われている同系列のキハ142・143、キサハ144も解体されると、札沼線専用車の痕跡がすべて消えることになる。

