トヨタ2000GT並みの値段に? ブランド復活を後押し、2台のランチア・デルタがすごい…オートモビルカウンシル2023

ガレーヂ伊太利屋が展示した2台のランチア・デルタ
ガレーヂ伊太利屋が展示した2台のランチア・デルタ全 7 枚

4月15日、即ち明日だが、イタリアのかつての名門ブランド、ランチアが新たなコンセプトカーを発表することになっている。既にいくつかのティザー写真が公表されているが、果たしてステランティス・ジャパンがランチア・ブランドを日本に導入するかは定かではない。

2台のスペシャルなランチア・デルタ

そんな中、かつてランチアの代理権をもって販売をしていた「ガレーヂ伊太利屋」が、2台のとても魅力的なランチアを「オートモビルカウンシル2023」に出展した。

いずれも80年代に一世を風靡した『デルタ』をベースとしたモデルで、1台は1985年に当時のWRCのホモロゲーションマシン、『デルタS4』のロードバーション「ストラダーレ」。そしてもう1台はイタリアの新興コーチビルダー「アウトモビリ・アモス」が仕立て上げたレストモッドのデルタ、その名も「ランチア・デルタ・フューチャリスタ」である。

ベースとなっているのは「インテグラーレ16V」だが、一端全バラして新たなコンバーションキットを組み込んで完成させる。オリジナルではボンネットとワイドなブリスターフェンダーは別々なパーツだったが、このフューチャリスタは一体型でカーボンでできている。このほか、エンジンは最新技術のチューニングを施し330hpの出力を得ている。製作されたのは僅か20台で、今回のショーに登場したのはNo.12のモデル。残念ながらこれは非売品。

しかしもう1台のデルタS4は販売車両である。1985年のグループBのホモロゲーションを受けるために200台生産されたうちの1台ということだが、実際に生産された数は100台にも満たないと言われ、実数は把握されていないようだ。通常のデルタ・インテグラーレとは異なりエンジンは縦置きにミッドシップされ、スーパーチャージャーとターボチャージャーによって武装された1.8リットル直4エンジンは、250psの出力を持っていた。

販売された当時でもイタリア国内で100万リラということで、最も高価だったデルタの5倍の値段だったという。今回も応談(ASK)と価格は公表されていないが、予想価格としては最高な状態のトヨタ『2000GT』に匹敵する値段のようである。

この2台、今回のカウンシルの中でも白眉のモデルだった。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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