そもそもの始まりは人材派遣会社だったというエイム株式会社。そんな会社が突如EVのスポーツカーを完成させ、14日に開幕した「オートモビルカウンシル2023」で本邦初公開となった。
見事なまでの完成度を見せていたこのスポーツカー『EV01』。実は今のところこれを市販する計画はなく、このモデルを作り上げた知見を活かしてEVコミューターを生産する計画があるのだという。
エイム EV01そもそもエイムという会社、1998年に創業した自動車の各分野におけるエンジニアリングサ―ビスを行う会社だという。代表取締役の鈴木幸典氏に話を伺うことができた。
元々エンジニアリング会社として技術力を高めていくという目的で、レーシングエンジンを作り出したのが2007年のこと。このエンジンをオレカのシャシーに搭載してルマン(ルマン24時間レース)に挑戦。2010年のルマンでは総合4位に入り、ガソリンエンジン搭載車としては最上位に食い込む実力を見せた。
その後EV時代を見据えてモーターの開発をスタート。開発したモーターは現在ロンドンのバスに採用されているという。良いモーターができたから今度はそれを搭載する良いシャシーを作ることに着手。シャシーの開発も順調に進んだので今回ボディを被せてEVスポーツカーとして完成させたのがこのEV01だという。
エイム EV01本邦初公開のこのスポーツカー、その動く姿は今年7月のグッドウッドフェスティバルスポーツで見ることができるようだ。
搭載されているモーターは2017年に完成させた「APM200」と呼ばれるもので、非常にコンパクトなそれは単体重量僅が40kgで最高出力220kwを発生させる。いずれにせよ、ICEの開発に始まって、モーター、シャシー、そしてEVスポーツというところまでやって来た株式会社エイム。次の計画は量産のEVコミューターなのだそうである。ただ、このEVスポーツモデルがこのまま立ち消えとなるわけではなく、ポテンシャルを見極めたうえで、今後を検討していくという。
まずはこのエイムスポーツEV01のグッドウッドでの評判が楽しみである。美しいフォルムのボディデザインは元日産の中村史郎氏だ。
エイム EV01