交通事故被害者への支援、国交省が計画を策定---治療・リハビリ環境を向上

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国土交通省は、改正自賠法に基づいて交通事故による被害者保護を増進する事業の安定的で効果的な展開を図るため、「被害者保護増進等計画」を作成して公表した。

[案:被害者保護増進等計画の目標とそのための施策]

被害者保護を拡充して被害者やその家族・遺族が安心して生活できる社会を実現するとともに、車体の安全性やドライバーの安全を確保することで、自動車事故発生防止を図り、安全・安心な「クルマ社会」を実現するのが目標。

2022年6月に成立した改正自賠法によって今年4月から、自賠制度によって事故被害者の支援や事故防止対策を行う「被害者保護増進等事業」を恒久的に実施することになった。同事業の実施に関する事項について自動車ユーザー団体、事故被害者などの団体、学識者などの意見も聞いて「被害者保護増進等計画」を作成した。

●検討会で事業を評価・検証

計画期間は2023年度から2026年度までで、計画に基づいて実施する事業は、自動車事故被害者、遺族団体、自動車ユーザー団体、学識経験者などの第三者で構成する「被害者保護増進等事業に関する検討会」を設け、毎年度その効果検証し、事業の妥当性を評価・検証する。

●予算は毎年200億円程度

計画に基づき実施する事業の経費は、計画期間中は2023年度予算の水準である200億円程度の規模の歳出が毎年度継続的に必要となることを見込む。自動車事故対策機構が運営する千葉療護センターは、開業から40年近くが経過し、老朽化が顕著で、同センターに対するニーズの変化に対応した機能の強化が必要なことから、計画の期間中、に大幅なリニューアルが必要なため、工事費用などの増加分は、継続的な歳出とは別に、一時的な歳出増要因として考慮する。

施策を実施するための財源は、一般会計の繰戻しや積立金の取崩しに加え、被害者保護増進等事業に充てる賦課金として年間100億円程度の納付を求めることで、必要な歳入を確保する。1台当たりの賦課金水準はこれを賄うために必要な水準を逸脱することがないよう留意するとしている。

●治療・リハビリ環境の向上を図る

被害者支援対策では、重度脊髄損傷を負った自動車事故被害者を受け入れる施設の設置や、高次脳機能障害者の社会復帰促進に当たる事業所を増やして、被害者の治療・リハビリ環境の向上を図る。このため、政府は事故被害者の治療、介護に必要な支援への資金支援やリハビリテーションや「介護者なき後」への対応のための人材を確保する施策を進める。

事故発生防止では、自動車運送事業のドライバーの指導や、自動車事故の発生の防止につながる機器及び装置の導入促進などの対策を進める。このため、政府はリスクの高い運転者に対する交通安全対策の観点も踏まえた自動車事故発生防止につながる機器や装置の導入を支援することや、無車検車・無保険車の運行の防止を図るための注意喚起・指導などを行う。

《レスポンス編集部》

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