ブガッティの「火球」は1600馬力、市販版のプロトタイプ写真公開…完売のサーキット専用車

ホイールやフェンダーのデザインを変更

サスペンションはシロンの3倍の剛性

乾燥重量は1450kgと軽量化を追求

ブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプ
ブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプ全 10 枚

ブガッティは4月19日、サーキット専用のハイパーカーとして、世界限定40台を生産する予定の『ボリード』(Bugatti Bolide)の市販モデルのプロトタイプの写真を公開した。

◆ホイールやフェンダーのデザインを変更

もともとコンセプトカーだったボリードの市販化は2021年8月、米国カリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」において発表された。価格は400万ユーロ(約5億8700万円)。ブガッティによると、発表から2か月で、40台限定のボリードは完売したという。納車は2024年から開始される予定だ。

今回、ボリードの市販モデルのプロトタイプの写真が公開された。コンセプトカーと比較すると、X字のヘッドライトは継承されているが、ホイールやフェンダーのデザインが変更されている。

また、フェンダーには、エアダクトが追加された。ホイールハウス内のエアを抜き、ボディのリフトを抑える狙いがある。ブガッティによると、ボリードの開発テストは量産化に向けて、次の段階に入っているという。

ブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプ

◆サスペンションはシロンの3倍の剛性

ボリードは、ブガッティがFIA(国際自動車連盟)の安全要件を満たすサーキット専用ハイパースポーツカーを製造した場合、どうなるかという質問に対する究極の回答だ。ブガッティがこのような妥協のないサーキット専用車を開発するのは、初めてという。ボリードとは、「火球」を意味する。

ブガッティの開発チームは、シロンと異なる新形状のカーボン製モノコックや冷却システム、トランスミッション、サスペンションなど、多くのコンポーネントを再設計した。それぞれのコンポーネントをボリードのコンパクトで空力的なデザインの中に、ミリ単位の余裕をもって収めることが求められた。

新しいエンジンマウントを採用したボリードのサスペンションは、シロンの3倍の剛性を持つ。ユニボールサスペンションベアリングの効果で、ドライバーにさらに正確なフィードバックを与えるという。また、3Dプリントされたチタン製ロッカーを使用し、複雑な形状の軽量コンポーネントを作り出した。

ブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプブガッティ・ボリード の市販モデルのプロトタイプ

◆乾燥重量は1450kgと軽量化を追求

ボリードは、乾燥重量1450kgと軽量化を追求した最小限のボディ構造に、圧倒的なパフォーマンスを備えたW型16気筒パワートレインを中心に設計されている。シロン用の8.0リットルW型16気筒ガソリンエンジン+4ターボは、ボリードの市販モデルでは、最大出力が1600psになる。エンジンの回転数を引き上げるためにチューニングを施し、さらにシャープなパフォーマンスを実現するために、トランスミッションを改良している。

ブレーキシステムはカーボンセラミックに、耐熱性の高いカーボンブレーキを組み合わせる。充分に暖めないないと効果が発揮されないため、ブガッティのエンジニアは、より効率的に熱を発生・吸収する新しいキャリパーを設計した。18インチのタイヤを装着した場合、ブレーキディスクの径は390mm。各ホイールにカーボン製カバーを装着することで、ブレーキから発生する熱からホイールを保護することができる。

FIA世界耐久選手権に参戦する「LMDh」マシンと同じスリックタイヤがリアに装着される。ミシュランとの長年のパートナーシップにより、このタイヤがボリードに採用されることが決まっている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  3. ホンダ『スーパーEV』世界初公開へ、小型EVで「運転の楽しさ」提案
  4. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  5. 「欧州のカローラになりそう」ルノーの最新ハイブリッドコンパクトに日本のファンも熱視線!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る