1台限りのロールスロイス、EV『スペクター』を早くもカスタム…上海モーターショー2023

ツートンボディにホワイトのレザー内装

1回の充電での航続は最大で520km

ロールスロイス史上最高の空力性能

ロールスロイス・スペクター のワンオフモデル(上海モーターショー2023)
ロールスロイス・スペクター のワンオフモデル(上海モーターショー2023)全 10 枚

ロールスロイス(ロールス・ロイス・モーター・カーズ)は、ブランド初のEVで大型2ドアクーペ『スペクター』(Rolls-Royce Spectre)のワンオフモデルを4月18日、上海モーターショー2023で初公開した。

◆ツートンボディにホワイトのレザー内装

ロールスロイス・スペクター のワンオフモデルロールスロイス・スペクター のワンオフモデル

1台限りのスペクターは、モルガナイトとガンメタルのツートンカラーで仕上げられた。モーブとダークロゼの中間色のモルガナイトは、希少な宝石のモルガナイトからインスピレーションを得ている。ロールスロイスのビスポークのラインナップに加わる新色だ。

フロントには、スプリットヘッドライトが配され、ロールスロイス史上最もワイドなグリルと組み合わせられた。ステンレス製の「パンテオングリル」のベーンは断面がより滑らかになり、段差なく取り付けられており、フロント周りの空気を導くように設計されている。

インテリアには、一枚板から作られたカナデルドアが、55度の角度で開くように配置された。グレースホワイトのレザーは、アーデントレッドのディテールで強調されている。さらに、RRモノグラム、コントラストパイピング、インストルメントパネルのステッチには、ピオニーピンクのアクセントを添えた。オープンポアのチューダーオークウッドを、フェイシアパネルに使用している。

◆1回の充電での航続は最大で520km

ロールスロイスは2030年までに、すべての製品を電動化する目標を掲げている。スペクターは、この目標の実現に向けて、重要なモデルに位置付けられる。

スペクターの最終スペックは確定していないが、EVパワートレインのモーターは、最大出力585hp、最大トルク91.8kgmを引き出す。パワフルなモーターは、0~100km/h加速4.5秒の性能を可能にする。また、1回の充電での航続は、最大で520kmに到達する見通しだ。

スペクターのボディサイズは、全長5453mm、全幅2080mm、全高1559mm、ホイールベース3210mm。スケールに対してバランスを取るために、およそ100年ぶりに23インチホイールを装備した市販2ドアクーペになるという

◆ロールスロイス史上最高の空力性能

アルミニウム押出材セクションと、バッテリーの車両構造への一体化により、ロールスロイスの従来モデルに対して、30%高い剛性を達成した。また、このアーキテクチャーの柔軟性により、フロアをシル構造の上や下ではなく、その中間に配置することができた。バッテリーとフロアの間に配線や空調配管のためのチャンネルを設け、その下にバッテリーを搭載することで、滑らかなアンダーフロア形状を実現している。これにより、低い着座位置と包み込むようなキャビンを実現するだけでなく、約700kgのバッテリーに遮音材という二次的な機能を与えることができたという。

スペクターの前面空気抵抗を示すCd値は0.25だ。スペクターはロールスロイス史上、最も空力性能に優れるという。スペクターのボディサイドの下側のラインは、「ワフト・ライン」(ふわりと浮かぶライン)と呼ばれ、ヨットのデザインから着想を受けたものだ。このワフト・ラインは「マジック・カーペット・ライド」を視覚的に表現したもので、前方に進みながら上に向かう緩やかな曲線が、加速するパワーボートの船首が緩やかに持ち上がる様子をイメージしているという。

スペクターのリアは、ファストバックとした。グリーンハウス表面のシームレス化も、ロールスロイス史上最も低い空気抵抗係数の達成に貢献している。ルーフラインの後端では、Aピラーからラゲッジルームまで続くロールスロイス史上最大の単一ボディパネルにテールランプが組み込まれた。縦長の宝石のようなテールランプは、どのボディカラーに対してもニュートラルな無色で仕上げられている。

《森脇稔》

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