レクサス LM 競合、BYDとメルセデスの合弁「デンツァ」が高級ミニバンを初出展…上海モーターショー2023

デンツァ D9 (上海モーターショー2023)
デンツァ D9 (上海モーターショー2023)全 17 枚

上海モーターショー2023にて、BYDとメルセデスベンツグループの合弁(発足当時はダイムラー、BYD-Daimler)の「デンツァ」(DENZA、騰勢)がハイエンドブランドとして出展。ブースでは、主力モデルの『D9』『N7』と、技術展示を行っている。

D9は、昨年5月にローンチイベントをオンラインで実施し、その外観がトヨタ『アルファード』等に酷似していると国内外のメディアで取り上げられていた。今回のモーターショー会場においても、フラッグシップMPVとして、フロントグリルを中心にメッキ加飾を採用し、存在感の大きさをアピールしている。今回は「D9 PREMIER創始版」を発表し、さらなる高級感を演出した。

デンツァ D9 (上海モーターショー2023)デンツァ D9 (上海モーターショー2023)

D9 PREMIER創始版は4人乗りで、「エリートを華やかに乗せることができる」(会場内スタッフの説明)とし、ビジネスユースを念頭に置いている。また、外観について、「シャープなデザインは、より強い生命力と豪華さを与えている」(同)という。さらに、「今回のボディーカラーは専用色で、キラキラした紫色をちりばめている。光の下では銀河のような深い色の変化をみせる。上品な朝の光のゴールド感と組み合わされ、毎日が自分自身をハイライトさせるもの」「フロントからリアにかけての一体的なツートンカラーは、無限の伸び感と抱擁感を形成し、格調と快適さが共存する贅沢な空間をイメージしている」(同)という。

メディア発表会でDENZAのトップを務める首席創業オフィサーの趙長江氏は、「エコシステムを構築していく。D9 PREMIER創始版のユーザーはその恩恵を受けることができる。4月30日までは独自のアプリなどを通じて予約することができる」と説明。具体的な内容は発表していないが、同モデルのターゲットは明確に設定され、重点的な訴求を実施しているようだ。

N7は、クーペ系セダンやクロス系SUVの中間的な位置付けの車格で、「インテリジェントなポンド級モデル」(会場内スタッフの説明)の新型車である。そのティーザー画像は先行してメディアにリークされていたが、「その先進的な技術や内装は初披露」(同)だという。

デンツァ N7 (上海モーターショー2023)デンツァ N7 (上海モーターショー2023)

趙長江氏はメディア発表で、「N7の使用シーンを会場内で演出できるブース設計を目指した。ユーザーに様々な外出する喜びを、そのニーズを満たすことができるものである。例えば、1人で外出する時には、AR-HUDメータースクリーン、道路状況情報等を常時表示し、顔の向きを変えてフロントパネルを見る必要がなく、より安全に運転することができる。また、DENZA Linkは6nmチップを搭載し、5G技術を集積することで、車窓の風景と運転の楽しさを一体化させることに成功した」と語っている。

また趙長江氏は、「『ブラインド予約』(購入意向者およびそのニーズを把握する先行予約の方法)を開始する。この予約をすることで様々な恩恵を受けることができ、そのユーザーネットワークを構築していく。また、スマートコックピット、運転、車体の3大スマート技術を段階的に発表していく」とも述べており、さらなる技術進化がありそうだ。

デンツァ ブース(上海モーターショー2023)デンツァ ブース(上海モーターショー2023)

《八杉理@現代文化研究所》

八杉理@現代文化研究所

八杉理|トヨタ自動車が全額出資する現代文化研究所・上席主任研究員。トヨタグループ各社をはじめ、日本の自動車業界のグローバルな事業戦略策定に参画。長く中国に居住し、各地の高度成長を肌で感じてきた。この経験から、現在でも現場主義に拘り、考察を続けている。また、クルマ好きで、世界の多様なモビリティを乗り歩く。著書に、『巨大化する中国自動車産業』日刊自動車新聞社、『東アジア地域協力の共同設計』ミネルヴァ書房等分担執筆のほか、業界団体や企業内でのセミナーも実施。専門業務分野は、中国・東アジアのモビリティ先端動向調査(CASE・MaaS、部品、炭素中立、SDGs)、ブランディング戦略、バリューチェーン事業化戦略、自動車ユーザー購買行動・イメージ・商品嗜好性分析、新興企業・競合企業の分析、これらに関する業界諸課題や市場参入へのアドバイザリー業務。

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