“ホンダらしさ”でもあった「自前主義」を返上したとはいえ、相次ぐ業務提携や協業などで他の企業と協力関係を強化すればするほど、失われつつあるブランド力のさらなる低下も懸念される。
今週は台湾の半導体メーカー「TSMC」との戦略的協業を発表したばかりのホンダが、こんどは電池大手ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)と、総額4000億円規模を投資する方針で、国内で電気自動車(EV)や住宅向けなどの蓄電池の開発や量産に乗り出すという。
きょうの日経が1面準トップで「ホンダ、GSユアサと国内に電池工場」と報じたほか、読売や産経なども取り上げている。
それによると、両社は1月、EV向けリチウムイオン電池の開発で協業し、2023年中に合弁会社を設立する計画を発表していた。その共同出資で設立予定の新会社が主体となり、両社が約2500億円を投資し、電池の関連材料の確保や生産に必要な設備投資を行う計画で、国内でまず年20ギガワット時以上の生産能力を目指す工場を新設するという。
また、政府も経済安全保障推進法に基づき、蓄電池を「特定重要物資」に指定しており、経済産業省が1500億円程度を補助する見通しのようだ。
近年、ホンダは、米ゼネラルモーターズ(GM)とEVの共同開発に乗り出したほか、ソニーグループとも提携し、次世代EVの開発で共同出資会社を設立。さらに、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)とEV用のリチウムイオンバッテリーを生産する合弁会社の設立に合意したほか、台湾の半導体メーカー「TSMC」との戦略的協業を発表するなど、脱自前主義を加速して経営の効率性を一段と高めている。それらのニュースは株価対策にもつながるが、現時点では投資家が積極的に動くほどの好材料にはなっていないようだ。
2023年4月28日付
●新型コロナ、来月8日から5類決定、入院5.8万人体制へ(読売・1面)
●車8社世界生産4.2%増、昨年2418万台、コロナ禍から回復、半導体不足改善(読売・7面)
●トヨタ世界生産・販売最多、22年度北米やアジアで回復(毎日・2面)
●森元首相「高橋元理事は便利」五輪汚職、電通出身ふまえ選定、参考人聴取で供述(東京・21面)
●ホンダ、国内に電池工場、EV向け4000億円規模、GSユアサと(日経・1面)
●赤字拡大「廃線検討」1割、ローカル鉄道95社、本社調査(日経・2面)
●日産、純利益2%増、前期一転増益、三菱自の回復寄与(日経・13面)
●独ボッシュ、米半導体を買収(日経・13面)
●JR東「品川は東京の玄関」先端技術・サービスを集中、前期最終3年ぶり黒字(日経・15面)
●豊田織機社長に伊藤氏、大西社長は副会長に(日経・15面)
●GW前ガソリン2~5%安、旅行需要の高まり期待(日経・19面)