【ランドローバー ディフェンダー130 新型試乗】駐車時に驚く?全長5.2m超、8人乗りディフェンダーの実力は…九島辰也

8人乗りになったディフェンダー「130」

出過ぎない塩梅はまるで英国紳士風

操作系はもっとプリミティブなオフローダーっぽい方がいい

ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)
ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)全 30 枚

◆8人乗りになったディフェンダー「130」

『ディフェンダー』にロングボディの「130」(ワンサーティ)が追加された。スリーサイズは全長5275×全幅1995×全高1970mm、ホイールベースは3020mmとなる。「110」(ワンテン)と比べると異なるのは全長のみ。ホイールベースはもちろん、最小回転半径6.1mまで同じ。つまり、変わったのはリアのオーバーハングで、それを330mm延長することで3列シート8名乗車定員を可能にした。

ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)

パワーソースもそうで、3リットル直6ディーゼルターボのマイルドハイブリッドが搭載される。最高出力は300ps。110にある2リットルガソリンエンジンはラインナップされない。確かに車両重量が110より約140kg増えていることを鑑みれば、ディーゼルのみという選択はわからなくもない。

そんな130を三宅島でテストドライブした。島一周道路と七島展望台や新鼻新山で特別な許可を得て撮影とオフロード走行を試させてもらった。

◆出過ぎない塩梅はまるで英国紳士風

ランドローバー ディフェンダー130ランドローバー ディフェンダー130

一般道でのクルマの動きは110と変わらない。前述した通りホイールベースが共通なので、取り回しの感覚は同じ。目線の高さも車幅感覚も一緒だ。高速域でクルマの姿勢変化を起こすような入力を入れればその違いはわかるだろうが、一般道をフツーに走らせる分には区別はつかない。それこそ、バックで駐車の時にその長さに驚くくらいだろう。コインパーキングにもよるが、枠に収めた後、頭が飛び出しているかもしれない。

それにしてもこのディーゼル+モーターは走りが滑らかで気持ちがいい。スタートも中間加速もストレスなくスッとトルクがアシストされる。出過ぎないこの塩梅が英国紳士風な気がする。

ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)

頼もしい走りはオフロードでもそう。アプローチアングルとランプブレイクオーバーアングルは110と同じなので、特に気を遣うことはない。ちょっとした段差はタイヤの入射角だけ見ていればあとは大丈夫だ。ただディパーチャーアングルはオーバーハングを伸ばしたことで40度から28.5度へ減った。が、そこはあまり重要ではないし、28.5度あればおおよそはクリアできる。

◆操作系はもっとプリミティブなオフローダーっぽい方がいい

ということで、テレインレスポンス2やヒルディセントコントロールを試しながらオフロードを楽しんだ。ディファレンシャルを電子的にロックする仕組みは相変わらず頼もしい。130はエアサスペンションのみの設定なので、車高を上げ下げすることもできる。

ランドローバー ディフェンダー130ランドローバー ディフェンダー130

ただ、テレインレスポンス2の操作だけは慣れない。というか、わかりづらく、かつ操作に実感がないのが惜しい。ダイヤル時代の方がまだ使いやすい。そこはもっとプリミティブなオフローダーっぽい方が好まれるのではないだろうか。トグルスイッチなんか似合いそうだ。

以上がディフェンダー130とのファーストコンタクト。広いところだったので大きさは感じなかったが、都内だったらまた違うだろう。全長5275mmはなかなかなので、乗る人を選ぶに違いない。

ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)ランドローバー ディフェンダー130(特別な許可を得て撮影)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. ブリヂストン史上最長、約13万kmの走行保証…新タイヤ「トランザ エバードライブ」米国発売
  3. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  4. 日産『ムラーノ』新型、米IIHSで最高の安全性評価
  5. BMWの18車種2万台にリコール…火災に至るおそれ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る