車高調選びで失敗しないために! 必ず知っておくべきポイントとは?~カスタムHOW TO~

車高調選びで失敗しないために! 必ず知っておくべきポイントとは?~カスタムHOW TO~
車高調選びで失敗しないために! 必ず知っておくべきポイントとは?~カスタムHOW TO~全 4 枚

サスペンションごと交換してしまうのが車高調の導入は足まわりチューンでもっとも重要なこと。数ある車高調の中から、どんなモデルを選べばいいのだろうか。

◆車高調と言っても大きく用途が異なる!!

車高調とは車高を調整できるサスペンションのこと。通常ノーマルサスペンションでは車高を変えることはできないので、そこに調整幅があるわけだが同時に減衰力や使われるスプリングも変わる。具体的には車高調にすることで車高を低くすることが多い。

車高が低くなるとボディと路面とのクリアランスが狭くなるので、地面とボディが当たらないようにバネレートを高めなければいけない。なので、車高調=硬いサスペンションというイメージが広まったのである。必ずしも硬くなくても良いのだが、サスペンションがストロークできる距離が少なくなるので、必然的にバネレートが高いスプリングを使わないとサスペンションがフルストロークして「底付き」と言われる状態になる。こうなると乗り心地が悪くなるし、スポーツ走行の性能も低下しやすい。そこでサスペンション交換となるが、ざっくりと分けて「純正形状サス」「車高調」に分かれる。

純正形状サスはその名の通り、純正サスペンションとほぼ同じ形状だが、異なるメーカーが作ったものでスプリングもダンパーも異なる。具体的には少し車高が下がっていて、わずかに乗り心地が引き締められているモデルが多い。スポーツ性能はそこそこで、車高もそんなに下がらないが乗り心地も純正サス並みかそれ以上にソフトに仕上げられていることもある。ノーマルの良さを残したまま、少しだけ車高を下げたいとか、純正サスが劣化してきたのでリフレッシュとして導入することもある。

対する車高調は、さまざまな物がある。純正形状サス並みのソフトな仕上がりもあるが、大きく車高を下げたいならそういったモデルは向かない。底付きやストロークしすぎてフェンダー内とタイヤが干渉することもある。そうなると、ある程度スポーツ性能があり、車高が下がって、引き締められた乗り心地のものが主流となる。

◆10万円台、20万円台、30万円以上の3種類に大分される

ではどんな種類があるのか。国産スポーティやコンパクトカー、セダンなどを対象とするとざっくり3種類に分かれる。

もっともリーズナブルなものは10万円台のサス。ときには10万円以下のモデルもある。ほとんどが本格的なスポーツ走行向けではなく、車高が下がってちょっとしたスポーツ走行ができることがコンセプトになっている。

それでもミニサーキットまではまったく不安なく使える商品も多く、街乗りメインでたまにサーキット走行会やワインディングで走りを楽しむくらいならまったく問題ない。海外製のものも多く、海外パーツを使って、国内で組み上げていることもある。それでも量販店で販売されているような大手メーカーの商品であれば、オイルが漏れるとか異音がするといったこともほとんどない。内部構造は単筒式と複筒式のどちらもある。単筒式は本格的なスポーツ性能を持たせやすいが、ややフリクション(抵抗)が大きく、乗り心地が硬めに感じられることもある。複筒式はしなやかな特性になりやすいが、いざ本格的な走行になると減衰力が足りないこともある。

20万円台はもっともラインアップが多い価格帯。多くの商品が単筒式でセッティングによって本格的なサーキット走行までカバーするモデルも多い。街乗りメインのモデルもサーキット向けモデルも両方存在する価格帯でもある。

30万円以上になると高級サスペンションと言われるカテゴリーに入る。多くの商品が単筒式だが、ロッドやケースへフリクションを減らす表面処理が行われたり、高級なダンパーオイルを使うことで、よりしなやかに仕上げられていることが多い。サーキット向けモデルも増えてくる価格帯だが、そういった基本性能の高さからむしろ乗り心地が良く快適なことも多い。一部複筒式もあり、よりしなやかで、極めて快適性が高いこともある。

サスペンションの価格には上限がなく、減衰力調整が伸び側と縮み側で別で調整できる2ウェイ式や、どちらかの減衰力のストロークスピードが速いときと遅いときを個別に調整できる3ウェイ式もある。こちらはざっくりいうと60万~100万円くらい。さらに伸び側と縮み側のどちらも、ダンパーのストロークする速度を低速と高速を別で調整できる4ウェイも存在し、そうなると100万円以上になることも珍しくない。

高いモデルほどフリクションが少なく基本性能が高い傾向がある。高級モデルほどサーキットや本格的なレース向けモデルとなることが多いが、意外と乗り心地は悪くない。伸び縮みは短いストローク量で対応でき、低い車高にもできるが、フリクションが少なく乗り心地はしなやかで快適なことも多い。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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