アルピーヌ『A110』が巨大ウィング装着、パワーは500馬力…パイクスピーク2023参戦へ

エアロダイナミクスやエンジンを再設計

車両重量は1トンを切る950kg

6月25日の決勝レースに向けて最終準備に取り組む

アルピーヌ A110 パイクスピーク
アルピーヌ A110 パイクスピーク全 10 枚

アルピーヌ(Alpine)は5月2日、2ドアスポーツカーの『A110』がベースのレーシングカー「A110パイクスピーク」を欧州で発表した。同車を擁し、アルピーヌは米国で6月に開催される「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に初参戦する予定だ。

写真:アルピーヌ A110 パイクスピーク

◆エアロダイナミクスやエンジンを再設計

A110パイクスピークは、アルピーヌとシグナテックが共同開発した。ヒルクライム用にチューニングされており、ダウンフォースを向上させるエアロパーツなどを追加している。

アルピーヌは、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおいて、タイムアタック1カテゴリーにエントリーした。ドライバーには、ラファエル・アスティエ選手を起用する。同選手は、アルピーヌ 「A110 ラリー」で 2022年の「FIA R-GT カップ」を制しており、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにも4回出場。3度目の出走では、9分23秒721を計測し、タイムアタック 1クラスの記録を打ち立てている。

アルピーヌA110パイクスピークは、全長19.93kmのパイクスピークの険しいコースに対応するために設計された。パイクスピークに挑戦するために、エアロダイナミクスやエンジンを再設計した。ラファエル・リナリ氏が率いるアルピーヌ・デザイン・オフィスと、シグナテックの密接な協力により、A110がこれまでで最も過激なレーシングマシンに変身したという。

◆車両重量は1トンを切る950kg

パイクスピークの156のコーナーで、ダウンフォースを発生させる大型リアウィングが装備された。フロントのスプリッターとスポイラー先端のディフレクターも特長だ。アルピーヌA110の最強グレード「A110R」の開発の成果は、サイドスカートとディフューザーにも反映されているという。ルーフにはエンジンに空気を送り込むためのインレットが設けられ、およそ500hpのパワーを発揮する。また、車両重量は1トンを切る950kgに抑えられている。

アルピーヌのデザイナーは、タイムアタック1カテゴリーにエントリーするために、オリジナルのプロポーションを維持しながら、ビジュアルインパクトを追求した。リアウィンドウには、ルマンスタイルのシャークフィンを配置し、大型リアウィングを切り裂くようなダイナミックさを表現している。

ライト類もアグレッシブなデザインとした。フロントは2つのサークルに代えて、レーザーカットされた細い2本のバーを採用している。一方、テールライトはルマン24時間レースにちなんで、センターのフィンとリアウィングの左右が、縦3本に光って見えるように変更された。専用ホイールなどのディテールによって、ワイドさが強調されている。

◆6月25日の決勝レースに向けて最終準備に取り組む

A110パイクスピークは記録更新を目指し、アメリカの山々に挑む。4月25~26日、シェイクダウンを兼ねたテストランを行った。その後、パイクスピークのドライバー、ラファエル・アスティエ選手を迎え、臨戦態勢でテスト走行が行われる。

2022年、A110ラリーでFIA R-GTカップを制したラファエル・アスティエ選手は、2度のテストセッションを行う予定だ。パイクスピークに4回参加している同選手は、その後チームとともにコロラドスプリングスに飛び、6月25日の決勝レースに向けて、最終準備に取り組む、としている。

《森脇稔》

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