商用EVメーカーのHWエレクトロが新ショールーム開設…試乗車を予定、レジャー用途も視野

東京・湾岸地区のthe SOHO1階にオープンしたHWエレクトロのショールーム
東京・湾岸地区のthe SOHO1階にオープンしたHWエレクトロのショールーム全 15 枚

EVのファブレスメーカーとして、次世代の多用途商用EV『ELEMO』シリーズの開発と製造・販売を手掛けるHWエレクトロは5月8日、東京・湾岸エリアのthe SOHO1階(東京都江東区青海)にショールームをオープンした。

◆キャンパーたちの需要も見込む

HWエレクトロは2021年12月、東京都港区南青山に最初のショールームを開設したが、手狭になったことや試乗もしやすさを踏まえ、この地へと場所を移動したものだ。

新たにオープンしたショールームは、お台場の繁華街から少し離れているものの、ゆりかもめ線「東京国際クルーズターミナル駅」から数分で歩いて行ける場所にある。何よりもわかりやすいのが湾岸警察署がすぐ隣にあること。タクシーに乗った時でも、それを告げればすぐにその場所がわかってもらえるだろう。

オープン初日にショールームを訪問すると、入口は白をベースにコーポレートカラーであるブルーをアクセントカラーにしたデザインで、スマートで明るい印象を受ける。ショールーム内にはすでに発売中の軽トラック「ELEMO-K」のほか、今年6月に発売が予定されている中型商用車「ELEMO-L」が展示されていた。

同社では、ELEMO-Lの主な顧客を運送業者と想定しているが、その一方でキャンパーたちの需要も一定数あると見込んでいる。そうした意味でもこの地区でのショールーム開設は打って付けの場所になる。また、このショールームには試乗車も適宜用意される予定で、タイミングが合えば軽トラックELEMO-KやELEMO-Lの試乗も可能という。

営業時間は9時~18時で土日祝日は休業。正式オープンは5月15日となる。

◆ELEMO-Lに試乗、じっくり確実に加速し、想像以上に良かった乗り心地

取材した日はさっそく中型商用車ELEMO-Lに試乗できた。試乗コースはお台場界隈で、デリバリー利用を主とするこの車両を試すには十分な内容だ。同社のパートナー企業が米国にあり、そこで企画考案されたものを中国で生産し、その車両を直接日本に輸入して販売するという。

ELEMO-Lのボディサイズは全長5450×全幅1850×全高2050mmで、1ナンバーでの登録となる。容量43.5kWhのバッテリーを搭載し、一充電での走行距離はWLTCモードで211km。日産の『e-NV200』が生産終了となっていることから、このカテゴリーは貴重な存在となることは間違いない。カーゴスペースは長さ2890×幅1690×高さ1380mmで、最大積載量は1250kgとなっている。

運転席の着座位置は高めで、オフロード4WD車に乗ったような気分だ。全長が長めなので、内輪差に少し気遣いながら走り出してみる。アクセルを踏み込むとEVにありがちなトルクフルな感じはなく、ジワッと確実に加速していく感じ。しかし、決して加速が鈍いということはなく、着実に速度を上げていく。デリバリー用途で使うなら不足は感じないだろう。

◆現在は左ハンドル仕様のみ、問い合わせは多数

乗り心地もリアサスペンションに板バネを使っているという割にはマイルドだ。段差を乗り越えた時の跳ねもそれほどなく、不快感はまるで感じない。空荷の状態でこのフィールだから、荷物を載せた時はさらにサスの動きは落ち着いてくるだろう。

シフトはダッシュボード中央に配置されるダイヤルで操作する。R/N/Dの3ポジションで「P」はなく、引き上げ式のパーキングブレーキが装備されていた。メーターは液晶パネルで、ここにEVらしさを感じることができる。一方でこの車幅がありながら、左右のミラーはリモコン式とはなっておらず、直接ミラーに触って調整しなければならない。狭い道が多い日本の道路事情を考えれば、リモコンミラーは欲しい。

また、ステアリング位置は左ハンドルだった。HWエレクトロ 経営企画運営本部/営業2部の大谷正義部長によれば「右ハンドルにすれば需要は高まるのは確かと思うが、現時点での右ハンドル化は未定。それでも運送会社だけでなく航空会社や病院などから問い合わせは数多く届いており、手応えは感じている」「メンテナンスは講習を受けた指定工場で全国規模で対応できるようにしていく」とも話していた。

ELEMO-Lの車両価格は495万円(税込)。デリバリー時にはCHAdeMO(チャデモ)方式による急速充電と普通充電に対応予定で、通常のCV補助金が受け取れるよう申請中。さらに事業用として申請した場合は、国土交通省の電動化促進事業による補助金も受け取れるよう準備を進めているそうだ。

《会田肇》

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