アウディ TT、デビュー25周年…初代から受け継がれるデザイン

初代のシルエットを形成するデザイン要素が「円」

丸みを帯びたフォルムと円形のモチーフを受け継いだ2代目

現行の3代目は初代の特長的なラインを現代的に再解釈

アウディ TT コンセプト
アウディ TT コンセプト全 22 枚

アウディの2ドアスポーツカー、『TT』(Audi TT)が今年、デビュー25周年を迎える。

◆初代のシルエットを形成するデザイン要素が「円」

アウディは1995年9月、フランクフルトモーターショー1995において、スタディモデル『TTクーペ』を発表した。このTTクーペが、その当時のアウディのネーミングのルールを意図的に採用しなかったことは、このモデルの斬新さを強調することが狙いだったという。

1995年12月、アウディはTTクーペの量産化を決定し、1998年に量産を開始した。この時から、今年で25周年になる。スタディモデルから市販モデルへの移行に際して、デザイン面で最も大きな変更となったのが、リアサイドウィンドウが設定されたこと。これにより、見た目の印象が長くなり、スポーツカーとしてダイナミックに見えるようになったという。

初代TTクーペの独自のシルエットを形成しているもうひとつのデザイン要素が、「円」だ。内外装のデザインには、数多くの円形の要素が採用されている。「バウハウス」にヒントを得たTTのすべてのラインには目的があり、すべての形状には機能があるという。初代TTはクーペとロードスターを合わせて、約27万台を生産している。

2代目 アウディ TT2代目 アウディ TT

◆丸みを帯びたフォルムと円形のモチーフを受け継いだ2代目

第2世代のTTで、デザイナーはシンプルで本質的なデザインの追求を基本的なデザイン要素として継承した。この原則は、例えば、エクステリアのミニマルなデザインや洗練されたドライバー志向のインテリアに、明確に表現されている。丸みを帯びたフォルムと円形のモチーフは、典型的なTTのデザインであり、エクステリアとインテリアのデザインを統一する要素。その一例が、燃料タンクキャップ、円形エアベント、ギアシフトの縁取り、特長的なシフトノブなどだ。

第2世代のTTは、クーペが2006年、ロードスターが2007年に発売された。第2世代の『A3』のプラットフォームをベースにしていた。2代目TTには、「アウディマグネティックライド」を備えたアダプティブダンパーが初めて採用された。オプション設定されたこのテクノロジーは、ショックアブソーバーを路面状況とドライバーの運転スタイルに合わせて、連続的に可変する。

2008年には、最大出力272psを発生する2.0リットルターボエンジンを積む「TTS」が発売され、その1年後には最大出力340psを発生する2.5リットル5気筒ターボエンジンを搭載した「TT RS」と、最大出力を360psに引き上げた「TT RSプラス」が発売された。また2008年には、「TT 2.0 TDIクワトロ」を発売。これは、世界で初めてディーゼルエンジンを搭載した市販スポーツカーになった。

3代目 アウディ TT3代目 アウディ TT

◆現行の3代目は初代の特長的なラインを現代的に再解釈

軽量化が施された第3世代の現行型TTは、2014年に発売された。「2.0TFSI」エンジンとマニュアルトランスミッションを搭載したTTクーペの重量は1230kgで、先代よりも最大50kg軽量化された。3代目の開発にあたりデザイナーは、1998年に登場した初代TTの特長的なラインを現代的に再解釈した。典型的な丸い燃料タンクキャップは、世代を超えて受け継がれた。現行型では、数多くの詳細なプロフィールも、初代のクラシックなデザインを意図的に想起させるように開発された。技術的に第3世代のTTは、いくつかの革新をもたらした、と自負する。

例えば、現行型では、アナログメーターと「MMI」モニターに代わり、多用途なディスプレイを備えたフルデジタルメーター、「アウディバーチャルコックピット」を初めて採用した。また、2016年に発売された現行TT RSのテールライトには、「OLED(有機発光ダイオード)」を初めて採用している。

エンジンラインナップも、発売当初の最上位モデルとして、最大出力310psの2.0リットルターボエンジンを搭載したTTSから始まり、2016年には2.5リットル5気筒ターボエンジンを搭載したTT RSが設定された。最大出力400psを発揮するこのエンジンは、スポーティなサウンドが特長だ。

なお、アウディは、TTのデビュー25周年を祝うために、四半世紀にわたるデザインとテクノロジーのハイライトを結集し、ナルドグレーをまとった「TT RS クーペ・アイコニック・エディション」を100台限定で設定している。

《森脇稔》

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