2021年に廃止された秋田臨海鉄道が正式に解散 設立から53年の歴史に幕

秋田臨海鉄道の車止め。
秋田臨海鉄道の車止め。全 2 枚

JR貨物は5月23日、グループ会社の秋田臨海鉄道株式会社が解散したと発表した。

JR貨物の奥羽本線貨物支線上にある秋田港駅から向浜駅とを結ぶ通称「南線」、秋田北港駅とを結ぶ通称「北線」からなる計7.9kmの路線を持っていた秋田臨海鉄道は、秋田港が1965年に秋田湾地区新産業都市に指定されて以来、集積する企業への貨物の効率的な輸送が必要になったことから、1970年4月に国鉄や秋田県などの出資により設立された第3セクター方式の地方鉄道だった。

1971年6月には国鉄との連絡運輸が協定され、同年10月に全線での運輸営業を開始。1986年3月には旅行業にも乗り出し、国鉄の分割民営化後はJR貨物グループの一員となったが、2001年3月にはJR男鹿線への貨物輸送が、2008年3月には小坂精練への硫酸輸送が廃止されるなど、貨物の取扱量が減少。2015年6月からは北線が休止状態となっていた。

その一方で、国土交通省やJR貨物から無事故表彰を受けるとともに、2018年4月にはJR東日本秋田支社のクルーズ船客専用列車運行に伴なう入換業務を受託するようになったが、2021年4月に鉄道事業を廃止。2023年4月末で現状回復工事が終了し、同年5月22日に開かれた株主総会で会社解散が正式に決議された。

なお、解散に伴なう業績への影響についてJR貨物では「今期の当社連結決算に与える影響は軽微です」としている。

2018年に秋田臨海鉄道が入換業務を受託していたクルーズ列車(試験運行時のもの)。2018年に秋田臨海鉄道が入換業務を受託していたクルーズ列車(試験運行時のもの)。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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