円安再び加速、半年ぶり140円台---自動車各社“想定外”の追い風[新聞ウォッチ]

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自動車などの輸出関連企業にとっては追い風となる円安が再び加速している。5月25日のニューヨーク外国為替市場で円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=140円台前半を付ける場面もあり、140円台まで円安が進むのは、2022年11月以来半年ぶりのことだそうだ。

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きょうの各紙も「半年ぶりの円安」などと為替関連のニュースを伝えているが、円相場は23年1月の127円20銭前後と比べると13円ほど下落したことになる。背景には、日米の金融政策の違いがあるという。

こうした中で、日経は「投資情報」面に「2024年3月期は一転、為替が主力企業の業績を下押ししそうだ」と、焦点がややズレた観測記事を取り上げている。

それによると、自動車や電機を中心に前期比で計2兆円弱の営業減益要因になり、4兆円弱押し上げた前期から状況が一変すると分析。為替レートを1ドル=130円と前期より5円以上の円高でみる企業が多いためだが、「ただ実勢レートは再び円安に振れつつあり、なお業績が変動する可能性がある」とも補足している。

さらに記事では「影響が大きいのは自動車だ」と指摘する。このうち、ホンダは2680億円の減益要因(前期は2959億円の増益要因)になると予想。「米国の利上げの落ち着きが下期にあるとみる」として、上期に130円程度、下期に120円程度と前期から円高方向で想定しているという。

また、通期で125円のレートを想定するトヨタ自動車はマイナス要因が8750億円(前期は1兆2800億円のプラス)、130円想定の日産自動車はマイナス要因が850億円(同1857億円のプラス)になるなど、自動車大手7社では計1兆4310億円のマイナスで前期(2兆3039億円のプラス)から大きく落ち込むという。

ただし、「日本企業は業績予想を保守的に見積もる傾向があり、前期や実勢より円高方向でみているが、足元の為替レートは140円近辺で企業の想定レートや前期実績(135円程度)から円安方向に振れている」とも。

以前、スズキの鈴木修氏が社長のときに為替相場の動きについて質問したところ「私にはわからん。占い師にでも聞いてください」と一蹴されたことを思い出す。名経営者であっても為替レートをズバリ想定するのは不可能に近いようだ。

2023年5月26日付

●景気「緩やかに回復」5月の月例報告3年3か月ぶり(読売・9面)

●円140円台目前、半年ぶり「米債務」金利差拡大(読売・9面)

●成田空港使用料、9月から値上げ、国際線12年ぶり(朝日・6面)

●トップに聞く、洋上風力事業、2、3年が勝負、コスモエネルギーホールディングス・山田茂社長(産経・10面)

●トヨタ、ハイエースなど3万9000台リコール(産経・22面)

●こちら特報部、ホンダF1復帰のワケ、脱炭素技術磨く、米市場でPRも(東京・22面)

●あすから来月10日、高速大師橋通行止め、架け替えで羽田線(東京・25面)

●航空燃料1割再生品に、経産省、元売りに、国際線、30年義務化(日経・1面)

●半導体新工場の用地取得、ソニーG、熊本でセンサー、主力拠点級(日経・13面)

●為替、営業減益要因に、今期一転、円高想定で2兆円弱、主要53社(日経・17面)

《福田俊之》

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