高輪築堤、2027年度の現地公開を目指す…鉄道開業時の景観再現や歴史発信施設の整備なども

複合棟IIの1階から見る第7橋梁部のイメージ。
複合棟IIの1階から見る第7橋梁部のイメージ。全 10 枚

JR東日本は5月31日、2027年度を目途に高輪築堤の現地公開を目指すことを明らかにした。

【画像全10枚】

高輪築堤の保存範囲と記録保存調査範囲。現地保存は複合棟IIと公園部の第7築堤部。高輪築堤の保存範囲と記録保存調査範囲。現地保存は複合棟IIと公園部の第7築堤部。

高輪築堤は、1872年10月に開業した新橋(後の汐留)~横浜(現・桜木町)間の鉄道建設時に海上に構築された築堤の一部で、2019年4月、JR東日本が国際交流拠点を目指して進めている再開発プロジェクト「品川開発プロジェクト」の第1期エリアで出土。その後、保存や公開展示へ向けた検討が行なわれ、2021年9月には第7橋梁部と公園部が「旧新橋停車場跡」に追加する形で史跡指定された。

「明治時代の錦絵に描かれた当時の風景」がそのまま残っているとして、現地保存されることになった高輪築堤の第7橋梁部。「明治時代の錦絵に描かれた当時の風景」がそのまま残っているとして、現地保存されることになった高輪築堤の第7橋梁部。前後の築堤が鉄道らしい景観を残しているとして、移築保存される4街区の信号機土台部。前後の築堤が鉄道らしい景観を残しているとして、移築保存される4街区の信号機土台部。

さらに同年12月から開かれた「『史跡旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡』における高輪築堤跡保存活用計画等策定・検討委員会」では文化財保護法に基づく保存活用計画が策定され、2023年5月26日に同計画が文化庁長官から認定されていた。

これにより、有識者の指導の下での高輪築堤の保存対策や継続的な維持管理による現地公開が可能になったことから、JR東日本では今後、それに向けた検討を進めるとしている。

現地公開へ向けたスケジュール。現地公開へ向けたスケジュール。保存対策の概要。保存対策の概要。

具体的には、発掘時に失われていた欠損部築石、盛土、バラスト、レール、橋梁などを再現するとともに、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を駆使して開業当時の景観を再現。高輪築堤を含む開業当時の新橋(後の汐留)~横浜(現在の桜木町)間の資料や研究成果などを収集・整理して今後の公開や活用に活かすとしており、高輪築堤や鉄道の歴史を知ることができる情報発信施設の整備なども合わせて行なうという。

複合棟IIの2階から見る第7橋梁部の現地公開イメージ。複合棟IIの2階から見る第7橋梁部の現地公開イメージ。公園地下から高輪築堤跡を眺めるイメージ。公園地下から高輪築堤跡を眺めるイメージ。文化創造棟3階テラスから高輪築堤跡を眺めるイメージ。文化創造棟3階テラスから高輪築堤跡を眺めるイメージ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
  2. 日産 フェアレディZ をレーシングカーにカスタム、「NISMO GT-Z」発表へ…SEMA 2025
  3. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  4. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  5. 【スズキ ソリオバンディット 新型試乗】ソリオの魅力は“実用前提のちょうどよさ”にある…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る