鉄道変電所の蓄電池で電力を間接的に融通…近鉄が電力逼迫シーズンに対応

東花園変電所の大容量蓄電池システム。
東花園変電所の大容量蓄電池システム。全 3 枚

近畿日本鉄道(近鉄)は6月20日、関西電力が主導する「デマンドレスポンス」に参加することを明らかにした。

「デマンドレスポンス」とは、経済産業省の外局である資源エネルギー庁によると「消費者が賢く電力使用量を制御することで、電力需要パターンを変化させること」で、電力の需給バランスを保つ点で有効とされている。

「デマンドレスポンス」の仕組み。鉄道事業者(近鉄)は電力会社(関西電力)からの要請に応じて、変電所にある大容量蓄電池の放電を実施する。「デマンドレスポンス」の仕組み。鉄道事業者(近鉄)は電力会社(関西電力)からの要請に応じて、変電所にある大容量蓄電池の放電を実施する。

近鉄と関西電力のケースは、冷房を使用する7~9月や暖房を使用する12~2月といった電力逼迫期に、東花園変電所(大阪府東大阪市)に設けられている大容量蓄電池の45%の容量(一般家庭の約2000世帯分、最大3時間分の電力供給分に相当)を鉄道運行に放電(充当)することで、その分の電力会社から受けている電力を一般家庭など他の需要へ間接的に融通するもので、近鉄では「この取組みを通じて、電力需給のひっ迫を解消し、安定供給の一助となればと考えています」としている。

近鉄は通常、電力会社から電力供給を受け、大容量蓄電池システムへの充電にも電力を使用しているが(左)、電力逼迫時は大容量蓄電池からの放電で鉄道運行に必要な電力を賄い、その分を関西電力が他の電力需要へ融通する(右)。近鉄は通常、電力会社から電力供給を受け、大容量蓄電池システムへの充電にも電力を使用しているが(左)、電力逼迫時は大容量蓄電池からの放電で鉄道運行に必要な電力を賄い、その分を関西電力が他の電力需要へ融通する(右)。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 大阪府警の白バイ、2025年度も「隼オイル」継続採用…過酷な環境でも安定した性能
  2. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  3. 【トヨタ クラウンエステート 新型試乗】走りそのものに違いを見出すのは難しいが…中村孝仁
  4. ホンダ『レブル』1万2000台以上をリコール…最悪の場合、エンストして再起動できない
  5. 「これかっこよすぎる!」「かなり価格を抑えてる」日本発売のプジョー新型『3008』がSNSで話題
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る