コンクリートの監理態勢を強化 北海道新幹線・羊蹄トンネルの品質管理不正問題

2021年8月に掘削が開始される前の羊蹄トンネル有島工区坑口。
2021年8月に掘削が開始される前の羊蹄トンネル有島工区坑口。全 6 枚

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は6月28日、北海道新幹線・羊蹄トンネル有島工区のコンクリート品質管理試験における虚偽報告を受けて、今後の監理態勢を明らかにした。

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この報告は4月24日に工事を請け負っていた熊谷・不動テトラ・宮坂・橋本川島 特定建設工事共同企業体(熊谷JV)から行なわれており、水分量による乾燥収縮やひび割れを防ぐためにコンクリート1立方mあたりに含まれる水分量を測定する単位水量試験では、打設前に1回、打設開始後に50立方mごとに実施するとされていたものを打設前の1回のみ実施。打設したコンクリートが隅々まで行き渡っているかどうかを確認するスランプ試験ではトンネルのブロックごとに3か所で実施するとされているものを1か所でしか行なっていないとされていた。

報告を受けた鉄道・運輸機構では、コンクリート品質管理試験の確認態勢を強化するとしており、「遠隔臨場」と呼ばれるカメラなどを使用した遠隔での確認を含む立会で全数確認を基本とするほか、鉄道・運輸機構で立会を実施できない場合は、受注者が各品質管理試験の写真撮影時に、試験などのための材料を意味する「試料」を採取したアジテータ車(生コンクリートの運搬車)の受入れ伝票を被写体とともに写し込み、1回の試験の都度、速やかに写真データを情報共有システムにアップロード。鉄道・運輸機構ではそのデータを速やかに確認するとしている。

なお、虚偽報告後には熊谷組による各種調査に立ち会い、コンクリートの健全性を確認したほか、鉄道・運輸機構が整備中の各線区の工事におけるコンクリート品質管理試験で虚偽報告がないことも確認したとしており、虚偽報告を行なった熊谷組は指名停止処分とされている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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