せっかくならサイズを変える!? ホイール交換時のサイズ選びとは

せっかくならサイズを変える!? ホイール交換時のサイズ選びとは
せっかくならサイズを変える!? ホイール交換時のサイズ選びとは全 4 枚

ホイールを交換する目的はそれぞれだが、せっかくならちょっと太めのサイズや、インセットを変えようという話になるが、どうやってサイズを選ぶのが正しいのか。ホイールは大きさとリム幅、インセットの3つの要素がある。

◆ホイールの「インチアップ」は何が変わる?

18インチや19インチと呼ばれるのはそのホイール径のこと。これを18インチから19インチに変えるのはインチアップと呼ばれるカスタム。ホイールをそもそも大きいものにすることで迫力が増す。同時にタイヤの外径は元と同じ程度にしなければ、フェンダー内に干渉したり、スピードメーターに大きな誤差が生まれて車検に通らなくなってしまう。

そのためにホイール径をアップさせたら、同時にタイヤ側の扁平率を下げる必要が出てくる。たとえば元が265/35R18サイズの場合、外径は645mm(POTENZA RE-71RSの場合)。それをインチアップするときは265/30R19を装着すれば外径が643mmで許容範囲となる。

このようにホイール径を変えるときは同時にタイヤの扁平率もセットで変えることになる。インチダウンのときも同じでホイール径を小さくするならその分扁平率をアップさせて、同程度のタイヤ外径にしなければきちんと走れなくなってしまうのだ。

大きすぎる外径はフェンダーと干渉するし、小さすぎる外径は車高が下がってしまうので最低地上高が足りないということも起きる。

◆タイヤ幅を広くするなら「リム幅」を広く

次はリム幅。ホイールの幅のこと。このリム幅には適正なタイヤサイズがあり、リム幅変更は同時にタイヤ幅を変えることでもある。このリム幅は●Jという数値で示される。インチ表記なので7Jなら175mmの幅ということになる。

たとえば、18インチで8Jなら適正なタイヤサイズは245/40R18と225/40R18。それが8.5Jとなると235/40R18と245/40R18となる。つまりタイヤ幅を広くするならリム幅を広くする必要がある。リム幅を広くしたらタイヤ幅も広くする必要があるということなのだ。だが、ここでタイヤ幅はそのままにリム幅だけを広くするワザもある。たとえば、8Jのリムに本来7Jが適正幅の215/45R18を履かせるといったことだ。これを俗に「引っ張りタイヤ」という。タイヤをリムが広くて引っ張っている状態になることからそう呼ばれている。

これは昭和から平成初期に流行したワザで、当時のタイヤは剛性が弱かったので引っ張りタイヤにすることで、サイドウォールにテンションを掛けることができた。それによってステアリングレスポンスが良くなると、サーキットでも引っ張りタイヤを使う人が多かった。そんなレーシーなチューンだったが、それをドレスアップ方向に活かす人も多く、いまでも旧車では多く使われているドレスアップの手法だ。ここに関しては法規制はないので自由に変えられるという面もある。

しかし、性能的には今や良いことはない。昔のタイヤでは剛性が低かったので引っ張ることでのメリットもあった。しかし、現在は十分すぎるほどの剛性があるので、引っ張る意味がない。むしろタイヤ本来の性能を発揮できなくなるのでオススメできない。また、空気圧が低いとリムからタイヤが外れやすいとか、乗り心地も悪化しやすい。そういったデメリットも多く、どうしてもそのスタイルにこだわるのでなければオススメできないセッティングなのだ。

◆「ツライチ」にするには、インセット選びが重要

そして、インセットだ。過去にはオフセットも呼ばれた数値のことで、リム幅の中心がハブに取り付けられていたらインセットは0だ。そこからホイールが内側に入ると5mmとか10mmのプラスインセットとなる。逆にホイールが外に出る方向になるとマイナスインセットとなる。具体的には純正でインセット50だったら、これを40のホイールにすれば単純に片側でホイールは10mm車体外側に出ることになる。

いわゆるホイールとフェンダーがほぼ同一の位置になる「ツライチ」にするには、このインセット選びが重要でミリ単位で選ぶことになる。ホイールメーカーのSSRでは、モデルによってオーダーインセットが可能。自分のクルマには37mmで付けたい!とオーダーすればそのサイズで納品してもらうことも可能なのだ。このインセットはホイールスペーサーを入れることでも調整可能。ホイールとハブの間にスペーサーを入れることで3mmや5mm外に出すなどもできる。

外に出すほどワイドトレッドになり、コーナリング性能はアップする。と言いたいところだがこれが微妙なところ。理論的にはトレッド幅が広がったほうが踏ん張りは効くようになるはずだが、ステアリングを切った時にタイヤがその中心を軸に向きを変えるのではなく、扇状に動くようになる。そうなるとステアリングレスポンスが落ちる傾向にある。

コーナリング性能アップのはずが、ステアリングを切ってもなかなかクルマが曲がり出さず、だるくなってむしろ走りにくくなることも多い。クルマはそのあたり純正値を中心に設計されているので、あまりワイドトレッドにするのも考えものなのだ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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