自動車業界では、愛犬家をターゲットにしたマーケティング戦略を採る企業が増えている。新車の発表に合わせて期間限定のドッグパークをオープンした自動車メーカーがあった。犬と一緒に出掛けることを前提に開発したことを訴求するキャンピングカーも増えている。
フードや雑貨など、ペット向け用品の展示会に出展する自動車関連企業も少なくない。特にホンダは、愛犬家向けのイベントで見る機会の多い自動車ブランドだ。6月24日~25日に神奈川県海老名市で開催された「アウトドアドッグマルシェ」でも、コンパクトミニバン『フリード』や「Honda Dog」の車載グッズが展示されていた。
◆愛犬家に根強い人気のフリード
現在、日本で飼われている犬と猫は約1590万頭と推計される(2022年度ペットフード協会調べ)。総務省の統計によれば、昨年4月1日時点での子どもの人口が1465万人とされている。今の日本では、子どもよりも多くの犬や猫が家庭で暮らしている。その位置づけも、“飼育するペット”から“家族の一員”へと大きく変化した。
そんな中、ホンダ車向けの純正アクセサリーを取り扱うホンダアクセスは、「Honda Dog」ブランドでソフトケージやサークルなどペット用カーアクセサリーの企画・開発を行っている。ペット関連イベントをエンドユーザーとのタッチポイントとして活用し、ブランドの浸透と顧客からのフィードバック収集に努めている。
今回のイベントに参加したのは、地元の販売会社であるホンダカーズ中央神奈川。ホンダ車の中で、愛犬家に最も人気が高い『フリード+』を展示した。コンパクトな車体と広い室内が、普段使いと休日のドライブ両方に“ちょうどいい”ということだろう。担当者は、「スライドドアもわんちゃんの飼い主さんには人気があります。抱っこしたまま、乗り降りが楽にできるのが好評です」と話す。