学生モータースポーツ大会で事故発生! そのとき学生たちは…全関東学生ダートトライアル

部活でモータースポーツ!学生自動車大会の魅力とは
部活でモータースポーツ!学生自動車大会の魅力とは全 43 枚

関東圏の『大学自動車部』が全日本大会への出場権を巡って競い合う『2023年度全関東学生ダートトライアル選手権大会』が6月25日、栃木県の『つくるまサーキット那須』にて開催された。

大学自動車部は、ドライバーとしてレースに参加するだけではない。自動車の整備から部活動運営にかかる資金集めまで、全てを自分たちで行う部活動だ。そんな大学自動車部が、自分たちのドライバーとしての腕と、クルマの仕上がりや整備技術を競う場がある。それは『全日本学生自動車連盟(以下、AJSAA)』が主催する学生自動車大会だ。ジムカーナ・ダートトライアルなどと言った競技によって競われる。

モータースポーツといえばお金のかかるイメージや、観戦するスポーツとしてのイメージが強い。しかしこの大会には、そのようなイメージとは真逆の、汗臭い「大学スポーツとしてのモータースポーツ」があった。

◆大学生が作る個性溢れるクルマの数々

アグレッシブな走りを見せる慶應義塾アグレッシブな走りを見せる慶應義塾

もちろん、学生自動車大会は見ているだけでも楽しい。選手の走行シーンは見逃せないが、各大学が丹精を込めて作り上げたクルマにも一見の価値がある。

大学自動車部が使用するクルマで圧倒的に多いのがホンダ『インテグラ』だ。それ以外にも、ホンダ『シビック』やトヨタ『スターレット』などがある。どれも20年以上も前の車両ばかりだ。だが、いざ走り出せばどのクルマも、20年の歳月を感じさせないアグレッシブな走りを見せる。

中央大学は大学のブランドマークをイメージした白と赤のカラーリング中央大学は大学のブランドマークをイメージした白と赤のカラーリング

各大学こだわりのカラーリングにも注目だ。大学自動車部員は、同じようなクルマが多い学生自動車大会において、カラーリングには自分たちの個性を表現する手段だ。例えば、今大会の男子団体優勝校の中央大学は、大学のブランドマークをイメージした白と赤のカラーリングだった。

大学自動車部のクルマには、自分たちの大学に対する強い思いやプライドを感じられ、「大学対抗スポーツとしてのモータースポーツ」の強い熱気を感じた。

◆学生自動車大会の魅力は「チームの戦い」

走行の合間にクルマのメンテナンスをしている走行の合間にクルマのメンテナンスをしている

学生自動車大会が「大学スポーツとしてのモータースポーツ」と感じられる最も大きな要素は、その争い方だ。通常、ジムカーナやダートトライアルと言ったモータースポーツは個人ごとの争いだ。だが、学生自動車大会では、大学対抗で男子3人1組・女子2人1組のチームで争う。そのため学生自動車大会では、選手全員のバランスが揃っていることが重要だ。

また、選手以外の部員もチームとして大切な役割を担っている。選手が走っていない間も、部員はクルマの周りで忙しく動いている。選手が安全に走ることができるよう、クルマをメンテナンスしているのだ。それだけでなく、路面の状況や天候、他大学とのタイム差を考慮し、次に走る選手がより速いタイムを出せるように手配する。

クルマで走る選手と、メンテナンスする部員が一つのチームとして共に戦っているのだ。部員全員で一丸となって大会に挑む様子こそ「大学スポーツとしてのモータースポーツ」の醍醐味だ。

◆大きなトラブル発生!そのとき学生たちは

クラッシュ車両の救出作業の様子クラッシュ車両の救出作業の様子

大会を取材中、コース上で大きなクラッシュが発生した。幸いにも、クラッシュを起こした選手は無事であった。だが、クラッシュした勢いでクルマは土手を駆け上がり、走行不能となった。大会は一時中断となり、出走を控えた多くの選手は灼熱の中、待機するほか無かった。

再開に向けて動き出したのも各大学の自動車部員だった。学生自動車大会は、AJSAAに集まった各加盟校の代表部員たちによって運営されている。大会の企画・運営から参加に至るまで、全てが学生によって行われているのだ。今回のようなトラブルが起きた場合も、学生たちは必要に応じて大人の手も借りながらも、最終的には自分たちの力で迅速な大会の再開を成功させた。

学生自動車大会は、学生たちが自分たちで考え、企画し、実行している。一貫した学生主体だからこそ、大学自動車部の活動は魅力的に輝いて見えた。

《神林崇亮》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 日本にはないアバルトの高性能SUV、『パルス アバルト』が大胆イメチェン!
  4. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る