[音響機材・チョイスの勘どころ]スピーカー…メインユニットで鳴らしやすいか否かを知れるスペックがある!?

市販スピーカーの一例(モレル・マキシモウルトラHE)。
市販スピーカーの一例(モレル・マキシモウルトラHE)。全 1 枚

カーオーディオシステムのビルドアップを図りたいと思ったときに役立つ「製品情報」を、多角的に発信している当コーナー。現在は「スピーカー」選びをする際にチェックするべきポイントを説明している。今回もスペックについて解説する。

さて、当回にて取り上げるスペックは「出力音圧レベル」だ。まずはこれが何なのかを説明しよう。「出力音圧レベル」とは、スピーカーに1Wの電気信号を加えたときにそのスピーカーが出せる音圧(音の大きさ)を表したものだ(スピーカーの軸上の1m前方にて測定する)。なおこれは「能率」と言い替えられることもある。

で、この数値が大きいほど、小さな力で大きな音を出せるスピーカーだと判断できる。すなわち、非力なメインユニットの内蔵パワーアンプでも鳴らしやすいスピーカーだと推察できる。逆にこの数値が小さいモデルほど、外部パワーアンプを使った方が実力を発揮しやすいスピーカーだと想像が付く。なので「外部パワーアンプ」の導入の予定がないのなら、「出力音圧レベル」が低すぎるモデルは向かない。

逆に「外部パワーアンプ」を導入することも視野に入れているのなら、「出力音圧レベル」は特に気にする必要はない。

ところで「出力音圧レベル」は、前回説明した「再生周波数帯域」と相反するスペックだ。「出力音圧レベル」を稼ごうとすると低域側の再生レンジが狭まりがちなのだ。ゆえに設計上「再生周波数帯域」を広げることが優先される場合、「出力音圧レベル」が犠牲になることもある。

というわけでパターンとしては、「出力音圧レベル」が高いモデルほど「再生周波数帯域」の低域側が狭まる傾向にあり、「出力音圧レベル」が低いモデルほど「再生周波数帯域」の低域側が広がる傾向にある。

ただ、どちらが良いスピーカーなのかは一概には言えない。なので当スペックにとらわれすぎる必要はない。音の良し悪し、さらには好みに合うか否かかはこの数値からは読み取れない。当スペックも参考程度に見るに留め、最後は試聴をしてから判断しよう。

ちなみにショップのデモボードでの試聴の際に、スピーカーを切り替えたときに音量が小さくなることがある。それはまさに「出力音圧レベル」の違いによって起こる現象だ。そのときは下がったままの音量で聴き続けずに、ボリュームを操作して同等の音量に上げてから聴き比べよう。そしてその上でどちらが好みかを聴き分けよう。

今回は以上だ。次回もスピーカー選びの際に役立つ知識を紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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