【WRCラリージャパン】2023年の見どころは?…映えスポット、合計4回のスーパーSS、サービスパーク

豊田スタジアム スーパーSSイメージ
豊田スタジアム スーパーSSイメージ全 9 枚

愛知・岐阜では今2023年も「フォーラムエイトWRCラリージャパン」が11月に開催される。大会実行委員会による大会概要のメディア向け説明会が、7月24日に行われた。

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ラリーウィークの基本的な流れ。詳細アイテナリーはこれからラリーウィークの基本的な流れ。詳細アイテナリーはこれから

◆ラリージャパンならではの映えスポット

コースや競技の内容は、まだ確定していない部分もあるが、23年の開催は、昨年と大きな変更はない。だが、SSが2つほど増える予定だ。SSの総延長距離もFIAの規定どおり300km以上を目指すという。昨年はFIAが規定する「SSの総延長は300~350km以内」という規定をクリアできず特任申請という形になっていた。6月の豪雨の影響で道路の復旧状況など予断を許さない状況があるものの、今年も特任申請は避けたいところだ。

SSは22か所。昨年は19か所だったSSは22か所。昨年は19か所だった

昨年話題となった伊勢神峠のトンネル、三河湖の神社鳥居前の直角ターン、岩村城下町のリエゾンは今年も設定される。伊勢神トンネルは心霊スポットとしても有名なトンネルだが、ここを爆音のラリーカーが駆け抜ける。22年はここでクラッシュする車両もでていたが、リタイヤの怨念が残っていないことを祈る。

三河湖SSの熊野神社前はラリーカーが猛スピードで走ってきて鳥居の前で直角ターンをするコースがある。派手なラリーカーと鳥居というシチュエーションが海外メディアや観戦者だけでなく、国内ファンにも「映えスポット」として有名になったコースだ。

◆リエゾンは外せないポイント

映えスポットとしては、SSをつなぐリエゾンという区間(当然一般公道)は、ラリーカーが目の前を走行するポイントとして外せない。恵那市岩村城下町はリエゾン区間のひとつだが、江戸情緒あふれる歴史街道。ここはラリーカーがタイムスリップしたような空間となり、昨年のラリージャパンでも人気スポットになったところだ。

なお、SSはスペシャルステージの略。現在のラリー競技はSSを競技車両が1台ずつ走行してタイムを競う。全SSのトータルタイムがもっとも短い車両が優勝となる。SSの競技は一般公道である峠道や林道、郊外の道路などを封鎖して行われる。競技車両はSSから次のSSへと移動する必要があるが、このSSを繋ぐ区間をリエゾンと呼ぶ。SSは道路封鎖をするので速度制限などはないが、リエゾンは競技車両も道路交通法の車両扱いになる。速度制限もあれば信号も守る。スピード違反や駐禁の切符も切られる。実際、WRCの開催中は各国の地元警察が、ここぞとばかりスピードガンを持って取り締まりを強化していたくらいだ。現在のWRCでは、すべての競技車両がGPSでトラッキングされている。スピード違反は、主催者によってもすぐに把握される。

競技車両はリエゾン区間も基本的には通り抜けるだけだが、信号待ちや渋滞などで運がよければ、記念撮影したり選手のサインをもらったりすることもできる。

◆スーパーSSは豊田スタジアムと岡崎市中央総合公園の合計4回

コースや競技概要は大きく変わらないが、スーパーSSについては若干の変更がある。競技は木曜の夜、豊田スタジアムのセレモニアルスタートから開催される。金土日と3日間が本格的な競技日だが、木曜のスタート直後、最初のSSがスタジアムに特設されるスーパーSSとなる。

スーパーSSは、河川敷、広場、スタジアムなどに設置されたコースで、競技車両は2台ずつ同時スタートでゴールの着順でタイム差がわかるようになっている。途中に立体交差やジャンピングスポットなど見どころが設置され、ゴール前はレース状態になり非常に盛り上がるステージだ。

スタジアムのスーパーSSは金曜日と最終日の日曜日の夜にも設定される(※2024/7/26追記:木曜セレモニアルスタート直後の1本とあわせて合計4本のスーパーSSが設定される)。土曜日のスーパーSSは岡崎市中央総合公園にて実施。スーパーSSはコース全体が見渡せるような「見せる競技」を意識したもので、エンタテインメントを重視するので夜に設定されることが多いが、土曜日のスーパーSSは昼間、公園内の敷地を広く使って行われる。

昨年のスーパーSSは河川敷の特設会場だったが、今年はスタジアムと中央総合公園の2か所、計4回となる。しかもスタジアムの観客キャパシティは昨年会場より多く設定する予定だという。料金も2階席が4000円、1階席が1万5000円とリーズナブルな設定となっている。

運営レギュレーションでの違いは、タイヤウォームアップゾーン(TWZ)が追加設置される。SSのスタート地点手前に設置されるタイムコントロール(TC)からSSスタートラインまでの間に500m以上の間隔が必要になった。各競技車両はTCからSSスタートまでの区間(TWZ)を走行しながらタイヤやブレーキを温める。この変更は、選手にとって重要だが観客にはあまり関係ない。

観客に関係あるものでは、サービスパークでの車両遮蔽の禁止の通達がある。今回の実行委員会による説明会とは別で、FIAはサービスパークでの車両や整備テントの目隠しをしないように周知した。タイヤ選択やセッティングを他チームに見せないようにカーテンや仕切りの内側でサービスを行うチームが増えていたが、サービスパークは観客にも開放され車両や選手、エンジニアの整備や修理も間近で見られる場所だ。入場料を徴収するため、観客サービスをおろそかにしないための措置。11月に開催されるラリージャパンでも、これは徹底されるはずだ。

サービスパーク周辺の情報(予定)サービスパーク周辺の情報(予定)

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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