アウディ『Q6 e-tron』、プロトタイプに新しいカモフラージュ、その狙いとは

アウディ Q6 e-tron のプロトタイプ
アウディ Q6 e-tron のプロトタイプ全 10 枚

アウディ(Audi)は7月26日、現在開発中の新型電動SUV『Q6 e-tron』のプロトタイプに、新しいカモフラージュパターンを施した、と発表した。

写真:アウディ Q6 e-tron のプロトタイプ


◆独特のカモフラージュはアウディのデザインブランディング責任者のマルコ・ドス・サントス氏の作品

アウディは2018年、EVの『e-tron』を発表して以来、プロトタイプやワンオフモデルに、「リヴァリー(カラーリング)デザイン」と呼ばれる個性的なデカールを採用してきた。最近では、『S1 Hoonitron』やF1ショーカーなどに、このデカールの例を見ることができる。

アウディは、デカールによる特別なエクステリアを備えた20台以上の車両をすでに発表している。これらはすべて、アウディのデザインブランディング責任者、マルコ・ドス・サントス氏の作品だ。

マルコ・ドス・サントス氏は1987年、ドイツ・ミュンヘンで生まれた。高校卒業後は、地元でデザインを学び、2014年からアウディのデザインブランディング部門に所属。主にe-tron、AI、モータースポーツの各モデルを担当している。自動車の世界を超えて、彼はフリーランスデザイナーとしても活動しており、ロゴ、製品、ポスターのほか、音楽業界のゴールドアーティストやプラチナアーティストのアルバムカバーを制作している。

◆Q6 e-tronの新しいデザイン言語をデカールで明確に表現

アウディ Q6 e-tron のプロトタイプアウディ Q6 e-tron のプロトタイプ

彼の最新のビジョンは、Q6 e-tronのプロトタイプのデカールに見ることができる。デカールの製作にあたり、印象的なデザインの背景にある哲学を伝え、オーダーメイドのスーツのようなスタイル、デザイナーさえも刺激するカラーリングを採用しているという。

アウディのデザイン言語は、Q6 e-tronで次のステップへと進化している。それを、デカールで明確に表現するのが狙いだ。それぞれの車両の構造とキャラクターは独自の個性を備えており、デカールのデザインもそれぞれ異なる。デカールを製作する作業は、車両のどの要素を強調したいかを決めることから始まるという。

Q6 e-tronのプロジェクトでは、2018年に発表されたe-tronの印象的なデカールで広く知られているネオンレッドカラーなど、以前のデザイン要素も活用しながら、新しい表現を試みている。アウディでは、テクノロジーとデザインは密接に結びついており、表裏一体。デカールは車両の技術的要素を、記憶に残る視覚的な言語に変換するという。

◆赤紫の放射状グラフィックスにシルバーの幾何学的メッシュとストライプの組み合わせ

アウディ Q6 e-tron のプロトタイプアウディ Q6 e-tron のプロトタイプ

Q6 e-tronの場合、大きなグラフィックスにより、ひと目でこの車両がプロトタイプであることが分かる。デカールが施されていても、車両のデザインは、高度な機密状態にあるという認識だ。プロトタイプに施されたデカールは、まだほとんど公開されていないデザインの秘密について話し合う機会を生み出し、これにより、特定の側面を明確にしながらも、曖昧さを残すことができるという。

このデカールでは、「グロス・フィアス・フクシア(Gloss Fierce Fuchsia)」と呼ばれる光沢のある赤紫による大きな放射状グラフィックスと、シルバーの幾何学的メッシュとストライプのグラフィックスを組み合わせている。形状は互いに滑らかに流れ込み、車両の構造の重要な要素を強調している。

下部ロッカーパネルは、ホワイトを採用することにより、ボディから際立たせた。これは、電気ドライブによるゼロエミッションの走りを設計の中心に据えるアウディの哲学を強調するものだ。アウディの外観を定義する5アームのダイナミックホイールとシングルフレームも、ホワイトで仕上げた。「e-tronパワーストライプ」と呼ばれるネオンレッドのアクセントで、ロッカーパネルの上部を強調した。これは、EVの心臓部となるバッテリーを搭載するエリアであることを表している。

◆リアのネオンレッドのラインが「quattroブリスター」を強調

アウディ Q6 e-tron のプロトタイプアウディ Q6 e-tron のプロトタイプ

ネオンレッドのラインがリアの周囲に配置され、傾斜するDピラーを支えるボディの輪郭となる「quattroブリスター」を強調する。初代アウディ『クワトロ』を彷彿とさせるこのブリスターは、アウディのデザインDNAの中核的要素だ。メッシュのグリッドがボディの上端に沿って走り、車両の高度なテクノロジーを表現。サイドウィンドウは、Dピラーを除いて、ブラックで統一されている。

サントス氏のデザインプロセスではまず、紙にたくさんの手描きのスケッチを描く。そのビジョンは、画像やグラフィックソフトウェアを使用して、最終的に車両に具現化される。車両は完全にデカールで覆われるが、高度で細心の注意と精度が要求されるため、このプロセスには数日かかる。

デザインの段階で真っ直ぐに見えるラインでも、ボディには多くの角やエッジがあるため、実際には真っ直ぐには見えない場合がある。作業のこの段階では、多くのアイデアが捨てられ、再考され、あらためてデザインされる。その過程で常に、人々が自分のデザインをどのように見るかを検討している。デカールは、常にあらゆる角度から見て機能する必要があるという。

そして最終的に、そのモデル専用のカスタムスーツを作成するように、カラーリングのデザインが車両のさまざまな形状に完全に一致するまで作業を続ける、としている。

《森脇稔》

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