スバル 大崎新社長「モノづくり革新と価値づくりが私の使命」…2030年にEV5割・60万台目標[新聞ウォッチ]

スバル新社長に内定した大崎篤取締役専務執行役員
スバル新社長に内定した大崎篤取締役専務執行役員全 3 枚

「“モノづくり革新”と“価値づくり”は私の大きな使命」---。東京・渋谷区恵比寿のSUBARU(スバル)本社で開かれた2024年3月期第1四半期決算発表後の新体制による説明会で、この6月、新社長に就任したばかりの大崎篤氏が、2028年に向けた決意などを述べた。

◆電動化の目標を引き上げ

大崎社長は「米国での急速なEV化や新興メーカーの台頭など、従来にないスピード感で経営資源をEVに集中させる」と強調。従来、2030年のハイブリッド車(HV)を含めた電動車の比率を40%としていた目標を引き上げ、電気自動車(EV)だけで年60万台、世界販売全体の50%とする野心的なEV戦略を発表した。

しかも、2030年までに国内外合わせて1兆5000億円を電動化投資へ振り向ける計画で、これまでは群馬県の専用工場などでEVを生産して国内から米国市場に輸出する方針を転換し、世界販売の7割を占める生命線の米国市場では、競争力を高めるために現地生産に踏み切ることも表明した。

◆再チャレンジでリターンマッチ

大崎社長といえば、2009年には、独自開発の軽EV『プラグインステラ』の開発責任者を務めた経験もあるが、当時資本関係にあった米GMの経営破綻のあおりで、独自EVの断念、軽自動車撤退、そして完成検査不正と、ビジネスシーンでは悔しい思いを味わうことのほうが多かった。それだけに2030年にEV比率5割という目標は、かつて大魚を釣り逃がしたスバルにとって再チャレンジであり、リターンマッチに挑む大崎社長にとっても、その意気込みは並々ならぬものが伝わる。

きょうの各紙も「スバル『30年、EV5割』1.5兆円投資」(読売)や「スバル、EV米生産へ転換、市場拡大、現地製の優遇受け」(日経)などと経済面などのトップ記事で取り上げている。きのうの午前中には,トヨタ自動車が14年ぶりに全面改良した『ランドクルーザー(ランクル)』の新型を公開したが、紙面をみれば、スバルの大崎社長による野心的なEVシフトのニュースのほうがインパクトは大きかったようだ。

2023年8月3日付

●スバル「30年、EV5割」1.5兆円投資(読売・8面)

●新型ランクル初のHV、北米、中国から投入(読売・8面)

●損保業界に厳しい目、4社に追加報告命令へ、事前調整「企業向け」で多数か(読売・9面)

●エアージャパンバンコク線就航、来年2月片道1万5500円(朝日・7面)

ガソリン176円、15年ぶり高値、補助縮小響く(毎日・6面)

●ビッグモーター保険不正だけじゃない、売買トラブル噴出、相談件数10年で5倍(毎日・23面)

●「ずっと不安」地盤補修始まる、調布の外環道陥没住宅街(東京・20面)

トヨタ株が上場来高値、1年7カ月ぶり好決算を評価(日経・13面)

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  2. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  3. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  4. 高速道路初、「コールドストーン」のパフェアイスクリーム自販機が登場…関越道高坂SA
  5. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る