【マクラーレン 750S】日本発表!!---性能差は“30”、720Sの正当後継車

マクラーレン 750S
マクラーレン 750S全 14 枚

マクラーレン・オートモーティブは同社のスーパーカーレンジに属するマクラーレン『720S』の後継車となる『750S』を日本でも発表した。価格は「750S」が3930万円、「750Sスパイダー」が4300万円である。

マクラーレン 750Sマクラーレン 750S

◆すべてにおいて正常進化

マクラーレン・オートモーティブで750Sとアルトゥーラのプロダクトマネージャーを務めるシェーン・ハーマン氏は、6年前に発表した720Sを「スーパーカーの新たなベンチマークだった」と振り返る。

720Sはスーパーカーのパッケージでありがら、ハイパーカーのパフォーマンスを提供していたからだ。そのうえで視界、人間工学、また収納性を確保することで、日常の使いやすさも追求。また、アイソケット(ヘッドライト周りの造形で、灯体とエアインテークなどの機能を併せ持っている)やダブルスキンドアなど、機能がフォルムを作るというデザイン哲学も具現化されていた。また、1980年代の『F1』にも由来する、フルカーボンモノコックを使用していたこともトピックだった。

さらに、このセグメントをリードする乗り心地の良さと、ダイナミックな性能が実現できていたのは、油圧リング式サスペンションシステム、PCC2(プロアクティブシャシーコントロール2)と呼ばれるスペースも重量もかさむ従来のアンチロールバーに変えて、4つのダンパーをリンクさせた相互関連式の油圧システムを備えていたことにもあった。

しかし、「そろそろこのベンチマークも置き換わる時期が到来。そこでこの750Sの目標は、ベンチマークとなった720Sの水準をさらに高めることである」とハーマン氏。

マクラーレン 750Sマクラーレン 750S

このミッションを達成するために3つのポイントがあった。「1つはさらなるパフォーマンスの向上。次にドライビングエンゲージメントをより向上させること。そして改善されたテクノロジーだ」という。

その結果、720Sと比較し、「30%ほどの部品やコンポーネントが新設計され、その結果最もパワフルな量産車が誕生することになった。併せて、軽量もそのまま引き継ぎ開発された」と述べる。

750Sのパフォーマンスは750ps/7500rpm、800Nm/5500rpmと720Sよりも30psプラス、トルクも30Nm増えた。一方DIN規格による車両重量は1277kgと720Sよりも30kgの軽量化に成功。更にダウンフォースは5%増加させることができた。

マクラーレン 750Sマクラーレン 750S

またドライビングエンゲージメントを向上させるためにPCC2からPCC3に進化させるとともに、「スプリングレートをフロントは3%ソフトに、リアは4%ハードに設定」。同時にエグゾースト関係にも手が加えられ、またテクノロジー面では、「液晶画面などドライバーとのインターフェイスを新開発した」という。

720Sと同様、750Sにもスパイダーをラインナップ。「カーボンファイバーを使用したシャシーのおかげで重い補強材などを追加する必要がなく、剛性も損なわれていない」ことを強調。この電動リトラクタブルハードトップは時速50kmまで操作可能で、11秒で開閉することができるという。

◆マクラーレンビジネスをさらに飛躍させるために

さて、マクラーレン・オートモーティブの日本の活動において、同アジア日本代表の正本嘉宏氏は、「コロナ禍が明け、今年から特にネットワーク戦略を積極的に強化していく」という。「今年の第4四半期には中四国九州地域に6店目となるマクラーレン広島を新規に立ち上げ、また同時期に既存のマクラーレン名古屋が市の中心部、目抜き通りにリロケーションすることで新たな活動強化を図っていく」と述べる。

さらに、「来年早々には首都圏に3店舗目となるマクラーレン横浜を立ち上げ、合計7拠点体制でスタートしたい」とのこと。

一方、マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本が継続して強化していくものに認定中古車がある。「2019年に世界で初めてマクラーレンの認定中古車センターとしてマクラーレンクオリファイド東京をスタートし、今年3月には世界で2拠点となるマクラーレンクオリファイド大阪を、最新鋭のサービスセンターとともに豊中に立ち上げた。続く3拠点目として、この秋にマクラーレンクオリファイド名古屋を展開」し、世界初の認定中古車センターを日本で矢継ぎ早に立ち上げていくという。

またマクラーレン福岡では、「専用のボディアンドペイントショップを年内に立ち上げ、結果として、新車7拠点、認定中古車センター3拠点、さらにサービス拠点が加わることで、セールス、そしてアフターセールスといった全ての面におけるカスタマーケアの強化を図っていく」とコメントし、日本市場においてマクラーレンビジネスをさらに飛躍させていくと意気込みを語った。

マクラーレン・オートモーティブプロダクトマネージャーを務めるシェーン・ハーマン氏(右)とマクラーレン・オートモーティブ・アジア日本代表の正本嘉宏氏(左)マクラーレン・オートモーティブプロダクトマネージャーを務めるシェーン・ハーマン氏(右)とマクラーレン・オートモーティブ・アジア日本代表の正本嘉宏氏(左)

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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